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2021.07.02

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金子朋樹美術科日本画コース准教授と小金沢智同専任講師が執筆に関わった書籍『膠を旅する』が発売

金子朋樹(かねこ・ともき)美術科日本画コース准教授と小金沢智(こがねざわ・さとし)同専任講師が執筆に関わった書籍『膠を旅する』(国書刊行会)が発売されています。

金子准教授、小金沢専任講師は本書籍の《第3章 膠(にかわ)をめぐる論考》「膠をめぐる往復書簡―日本画家・金子朋樹の事例を中心に」を執筆しました。

本書籍は全国の書店にて発売中ですので、ぜひお買い求めください。

『膠を旅する』

内田あぐり 監修
青木茂/上田邦介/金子朋樹/北澤智豊/北澤憲昭/小金沢智/後藤秀聖/朴亨國/山本直彰 著
出版社:国書刊行会
発売日:2021/05/14 
定価:4,160円(本体価格3,800円)

国書刊行会ウェブサイト 


【書籍『膠を旅する』のご案内】

膠とは牛、鹿、兎などの動物、魚類の皮・骨に含まれるコラーゲンを抽出し、精製加工した接着剤で、家具楽器などの木製品、紙製品に使われるほか、日本画の制作においても絵の具を接着するものとしてなくてはならない素材です。しかしながら、今から数年前に伝統的な手工業による膠の生産が途絶えてしまいました。

『膠を旅する』は、牛、鹿から剝いだ皮からつくる膠について初めて克明に記録された書籍で、本書籍監修の内田あぐり武蔵野美術大学名誉教授ら調査チームが、北方先住民族の狩猟と皮なめしの文化調査からはじまり、日本各地の皮革産業地帯を訪ね、実際の製造現場を取材した貴重な実録です。この書籍において、《第3章 膠をめぐる論考》「膠をめぐる往復書簡―日本画家・金子朋樹の事例を中心に 小金沢智、金子朋樹」を執筆しています。

膠づくりの歴史的・社会的背景を見つめ直す内容は、美術のみならず様々な分野、領域にも繋がるものです。先月には重版となりました。ぜひお手に取っていただきたいと思います。


【第1章 膠の過去・現在・未来】
ウエマツ画材店・絵具屋三吉の社長(2020年退任)で膠の研究者である上田邦介、画家の山本直彰と内田あぐりによる異なる立場からの鼎談を収録。膠を中心としつつ、絵具、胡粉、素材と表現の必然性など、多岐にわたるテーマで膠の過去・現在・未来を語る。

【第2章 膠を旅する】
北方先住民族の狩猟と皮なめし文化の調査からはじまり、日本各地の皮革産業地帯を訪ね、実際の製造現場を取材し、最終的には牛と鹿から剝いだ一枚皮から膠づくりをおこなう。
北海道・網走市――動物資源の利用を探る
大阪・浪速区――太鼓づくりの皮革の町を歩く
大阪・貝塚市――太鼓屋嶋村に聞く 精肉店から太鼓屋になる
東京・墨田区――豚革生産の下町を歩く
埼玉・草加市――河合産業株式会社
兵庫・姫路市――大﨑商店 川漬け製法の伝統技術に挑む
膠をつくる――古典的製造過程の記録
ふたつのアトリエから 内田あぐり

【第3章 膠をめぐる論考】
日本画表現をめぐる3つの所蔵作品 北澤智豊
膠をめぐる往復書簡――日本画家・金子朋樹の事例を中心に 小金沢智、金子朋樹
神的暴力――ニカワ研究の余白に 北澤憲昭
膠雑考 朴亨國
画家たちの言葉――日本画を語り継ぐ、膠と表現を識る 青木茂、後藤秀聖
膠と私 内田あぐり


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美術科日本画コース