美術科・工芸コースの卒業生、 川和田宗太郎さん、秋元哉子さんが主宰するカムロ窯が、展覧会「Sprout／Pottery」をやまがたクリエイティブシティセンターQ1で4月22日（土）より開催いたします。

カムロ窯は、陶芸家川和田宗太郎・秋元哉子が2021年9月に山形県最上町に構えた陶芸工房です。200ヘクタールほどの広大な敷地が広がる前原高原に位置し、最上町地域おこし協力隊として陶芸体験やワークショップなどを行いながら作陶を続けています。

カムロ窯は主に粉引という技法を用いた器を制作しています。 粉引は、鉄を多く含んだ赤土という粘土を使い、成形・削りをした半生状態の器に、鉄分の含まない白土の泥を掛けていきます。これを白化粧といい、その白化粧を施した上から釉薬をかけ焼成することで粉引が完成します。赤土と白土の種類の違う粘土同士が馴染むことにより、歪みや色合いの変化、磁器の器とは違う土が持つ独特の表情が魅力のひとつになっています。

また、赤土と白土、釉薬の関係から色幅が多くあるのも粉引の特徴のひとつです。カムロ窯の粉引はしら化粧が薄く、透明な釉薬から薄い緑や青みがかったものを作陶しています。これは四季折々の気候と景観のもとで広大な自然と地域のコミュニティに向き合い、陶芸と土地について考えながら制作を続けている彼らならではの特徴といえるでしょう。

今回の展示「Sprout／Pottery」では、カムロ窯の器を展示・販売します。工房のある最上町は、積雪量が多く、陶芸をする身としては過酷な環境のもとで冬を越さなければなりません。今回の4月の展示を引き受けたことは、早春の芽吹きのような陶芸家としての逞しさを感じます。

ぜひ会期中、やまがたクリエイティブシティセンターQ1に足をお運びください。

関連ページ：

工芸デザイン学科