/ EN

Sculpture

心身の全てを使い、
追求する唯一の形

私たちは、データ・情報がますます高度になる社会において真に必要とされる力とは何かを考え、日々磨き続けます。彫刻コースでは土・木・石といった自然素材をはじめとして、金属やプラスチック、既製品に至るまで、あらゆるものを造形材料として扱います。伝統的な技法から全く新しい表現方法まで、様々なアプローチを駆使しながら、形のないイメージやコンセプトに質量と奥行きを与えて空間に表します。最大の特徴は、多角的にモノやコトを捉えて検証する立体的な視点。広い社会の中で柔軟に思考し、自己を確立していく原動力となります。さらに、身体の実感を伴いながら培う造形力は、手触りまで感じるリアリティを再現できる唯一の力として様々な場面で活躍するでしょう。山形の自然豊かなフィールドで制作に打ち込み、その手で最高の形と空間を出現させてみませんか。

Feature

特徴

自由に素材を選びながら専門的に学べる立体工房

根幹となる塑造(粘土での造形)、石彫、木彫、金属彫刻を中心に、基本的な技法を一通り学んだのちは自分の方向性に合わせて素材を自由に選択して表現力を磨いていきます。広く充実した立体工房を使いながら、作家として活躍する専門スタッフの指導により高度な造形技術を学ぶことができます。ハードな造形素材に限らず、布や紙、ワックス、シリコンなどソフトな素材を用いることも。自分の可能性を最大限に引き出せる環境が整っています。

自然や地域を最大限に活用

毎年秋におこなう「樵(きこり)実習」など、アトリエの外に出て自然を利用した学びが多く、素材の発生・調達から立ち会うことができます。大学そのものが自然に囲まれており、その中で創作のイマジネーションを広げられるのも魅力。ものづくりの源流を体得できる環境があります。また授業で作った石彫作品を東北最大級の遊園地リナワールドの和風庭園に設置するなど、作品を通して地域と関わる機会にあふれています。

制作と思考を互いに高め合う対話型授業

制作の積み重ねで獲得した個の造形力をさらに展開して社会に発信するために、思考と言語を集中的に磨く授業「彫刻思考」があります。コンセプトの立ち上げ方やプランニング、他者への伝え方を教員との対話を重ねながら学修。作品だけではなく、自分の興味や研究対象を同級生同士で教え合う「彫刻ディスカッション」によってさらに成長していきます。また同時に、枠にとらわれない作品制作を通して可能性を大きく広げ、彫刻の意義を社会に問いかけます。

表現の幅を広げる横断的・実践的な学修

縦糸となる専門的な彫刻のカリキュラムに、横糸として美術科での横断型授業が組まれています。美術全般的な技術と知識や、他の専門分野の表現方法についても学べる貴重な機会。作品制作以外にもポートフォリオ作りや写真撮影、展覧会の企画・運営など、社会で役立つ実践力を他コースの学生と一緒に段階的に学びます。自分自身の生かし方について、広い視野を持って主体的に考え行動する力が身に付きます。

Curriculum

授業紹介

開放的な環境で豊かな感性を磨きながら、立体工房を最大限に活用して造形力を身に付けます。作品制作とともに、対話を通して思考を深める授業や地域での活動を取り入れた実践的な学びを展開。ものづくりの源流を体得し、自己の表現を極めていきます。

カリキュラム

1年次

感性を見つけ開拓する

彫刻制作にとって大切なのは豊かな感受性と想像力。アトリエに隣接する開放的な自然環境でイメージを広げる導入授業「自然からの造形」をはじめとして、粘土による制作とデッサンを繰り返しながら基礎的な造形力を養います。後期からは、石膏による型取り法を学び、粘土で等身大サイズの作品制作を行います。構想から作品として実現するプロセスや造形概念を理解し、空間についての認識も深めます。

  〈 講義 〉 〈 演習 〉 〈 実践 〉
前期
  • 彫刻作法
  • 芸術平和学
  • 美術史
  • アート・デザイン史論
  • 日本美術史
  • 彫刻基礎演習1『粘土制作とドローイングで感覚を養う「自然からの造形」』
  • 美術基礎演習(立体)『彫塑』
  • 美術基礎演習(平面)『デッサン』
  • 想像力基礎ゼミナール
  • コンピュータ基礎演習
  • </ul
後期
  • 芸術鑑賞の喜び
  • 西洋美術史
  • 東北文化論
  • 生物と自然
  • 彫刻基礎演習2『石膏による型取りと材質転換を学ぶ』
  • 彫刻基礎演習3『粘土による等身大の作品制作』
  • 芸術思考論

2年次

本格的な彫刻技術を習得する

作品制作の幅を広げるために、彫刻の主要な造形分野である石彫・木彫・金属彫刻を学びます。それぞれの素材の特性を深く理解し、様々な道具や機材を扱いながら基本的な技術を習得します。各素材の専門工房を最大限に使った制作では協働の場面も多くあります。石彫作品の設置、山間部での樵(きこり)実習、フィールドワーク、展覧会の企画運営など、地域社会と直に関わるテーマを設けながら実践力も同時に身に付けます。

  〈 講義 〉 〈 演習 〉 〈 実践 〉
前期
  • 美学
  • 芸術と心理
  • キャリア形成論
  • 彫刻演習1石彫『技術習得と作品制作「東北の四季の中で」』
  • 美術科共通演習A・B 『日本画/洋画/版画/工芸/テキスタイル/総合美術より2つ選択』
  • 石彫作品設置
  • 溶接技能講習
後期
  • 素材学(彫刻)
  • 美術の見方
  • 古典彫刻論
  • 彫刻演習2金属『鉄材加工の技術習得と作品制作「発見と再構成」』
  • 彫刻演習3木彫『技術習得と作品制作「私の好きな人」』
  • 美術と実践力1『制作記録とプレゼンテーション「彫刻ノート」』
  • 美術と実践力2『展覧会の企画・運営「進級制作展」』

3年次

多様な表現を獲得する

コンセプトの設定から作品プランの立案・制作、展示発表まで、客観的な視野を持って実践する力を養います。各自の個性・方向性を展開する重要な時期と位置づけ、新たな素材や手法による実験的なトレーニングを数多く繰り返します。また、制作と並行して教員・同級生とのディスカッションを重ねるなかで普遍的なテーマや現代的な課題を発見し、作品として試みることで自己の表現を獲得していきます。

  〈 講義 〉 〈 演習 〉 〈 実践 〉
前期
  • 現代美術史
  • 彫刻演習4彫刻思考①『実験的な制作トレーニング』
  • 彫刻演習5彫刻思考②『コンセプトとプランニング』
  • アーティストマネジメント/キャリアマネジメント『美術を社会で生かす知識』
  • </ul
後期
  • 先端的コンテンツとアートシーン
  • 彫刻演習6・7自主制作『自由テーマによる作品制作とディスカッション』
  • ポートフォリオ研究/ポートフォリオ作成『自己の編集とプレゼンテーション』

4年次

独自の造形価値観を発信する

スケール感のある作品制作に向かう時間はまさに4年間の集大成。これまで培ってきた彫刻の様々な造形要素を糧に、さらに専門性を深めながら確固たる独自性を自身の作品へ昇華していきます。前期は「現代の偶像」を共通テーマとして、それぞれが批評的な視点をもって現代を捉え、質の高い作品制作を目指します。後期は将来を見据えながら各自がテーマを掲げて大作を制作し、社会へ向けて発信します。

  〈 演習 〉 〈 実践 〉
前期
  • 彫刻演習8『共通テーマによる制作「現代の偶像」』
  • 新4年生展
  • TUAD Incubation Program(TIP)『アーティスト養成プログラム』
後期
  • 卒業制作『集大成としての大作を制作』
 

Career

進路

取得可能な資格

卒業時取得可能資格

小学校教諭一種免許状、中学校教諭一種免許状(美術)、高等学校教諭一種免許(美術)、学芸員
※指定の科目を受講することで取得できます。

美術科 進路一覧へ

Professor

教員紹介

吉賀 伸 コース長

Yoshika Shin
教授/塑造・陶彫

彫刻で培う造形感覚と柔軟な思考力。
個の力が新しい社会のカタチを作る。

彫刻コースの創作の原点は「何かを作りたい」「カタチにしてみたい」という率直な衝動や欲求です。さまざまな作品制作を通して、皆さんの内にある野性的・自然発生的な感性を洗練し、他者との関わりや芸術の意義に触れながら、未来を切り開く力へと昇華します。美術の枠に閉じない実践的なカリキュラムによって、彫刻家やアーティストだけでなく、広く社会のさまざまな現場で活躍できる人物の育成を目指しています。彫刻を学んで身に付く力は、さまざまな素材を扱う中で培う造形感覚、そして制作と対話によって深める思考力です。この2つの化学反応によって、オリジナリティあふれるものを自ら作り出せるようになり、物事の構造や成り立ちをさまざまな観点から発見して問題提起ができるようになるのです。これからの新しい生活様式の在り方や先端的な技術の扱い方を考える上で、人間がもともと備えている個の力の価値は見直されるでしょう。ぜひ一緒に彫刻を学び、豊かな未来を築きませんか。

教員一覧へ