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2021.03.31

イベント・展示会

歴史遺産学科の学生たちが上山の郷土資料展「絵図からみる上山」を開催


本展は、歴史遺産学科「社会教育実習」の一環で行った上山市立図書館蔵の「地引絵図」の研究成果を発表するものです。この絵図の下地は、和紙を何枚も張り合わせた巨大なもので、現物を頻繁に出し入れすることで紙の破れや光での劣化がおこるため、細部まで読み取れる詳細な画像を撮影することでの保存と活用が望まれる状況でした。

本学学生たちは、巨大絵図を撮影した何枚もの部分写真を「オルソ(正射)画像」に加工し、ばらばらだった20枚の絵図を接合して活用できるようにしました。また、そうした作業を行うことで、これらが明治6年の「地租改正」に伴って全国一斉に調査、作成された土地台帳の付図(地番、地目、面積を記載)で、明治22年に合併した旧上山町の役場に保存されてきた史料群だったことが分かりました。絵図が作成された明治8年は、わずか7年間だけ存在した行政区「大区小区制」の時代でした。

さらに、この時代の上山の街並みを知ってもらうために、江戸から明治への湯町の旅館の変遷辿った資料パネルや、明治11年に上山を訪れたイザベラバードの紀行文を紹介した資料パネルを展示しています。また、明治天皇が上山に行幸した明治14年頃の街並みを描いたとされる「上山戸別図」も立体にして展示し、ビジュアルに往時の上山の姿を想像できるように工夫しました。

※展示資料「地引絵図」「湯町の変遷」はこちらからもご覧いただけます。

上山の自然や歴史、資料的価値、上山の明治初期の街並みや農村部の土地利用(宅地、田畑や道路・水路・ため池)の様子を本展を通して想像いただけましたら幸いです。

絵図からみる上山 江戸から明治へ-地引絵図を中心に-

会期:2021年3月28日(日)~5月23日(日)
時間:9:00~19:00
会場:上山市立図書館(上山二日町10-25 二日町プラザ5F/TEL:023-677-0850)
休館日:水曜日
主催:東北芸術工科大学芸術学部歴史遺産学科
参加学生:土井愛夕美、加藤彩花、髙橋芽生、柴田桃花(全員、歴史遺産学科2年)
指導教員:北野博司(歴史遺産学科教授)

展示風景

上山市立図書館での展示風景。江戸から明治への湯町の旅館の変遷辿った資料、明治11年に上山を訪れたイザベラバードの紀行文を紹介した資料を展示。

「上山戸別図」の新丁付近。地元の人々の記憶にある施設を旗で標示。

「上山戸別図」の十日町付近。イザベラ・バードが歩いた頃の街並みが想像できる。

巨大な絵図をデジタル上で接合するための撮影作業風景。写真左は本授業指導教員の北野博司歴史遺産学科教授。

各村の戸長や測量者らの署名と押印。床に置かれたペンのサイズと比較すると、巨大な絵図に描かれていることが分かる。


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