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2021.04.26

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『TOHOKU CHANGE MAKERS 東北芸術工科大学美術科2020セレクション』を出版

芸術学部美術科では、2020年度卒業・修了生たちの選抜作品を収録した書籍『TOHOKU CHANGE MAKERS 東北芸術工科大学美術科2020セレクション』(左右社)を出版し、全国書店およびネット販売しています。

この書籍は、東京都美術館で毎年2月に開催している本学の「卒業/修了研究・制作展[東京展]」(卒制のセレクション展)の開催が、新型コロナウィルスの影響で中止となったため、芸工大生たちの卒業・修了後の作家活動支援の一つとして企画したものです。

■芸工大生70名の卒展作品と制作コンセプトを収録

本書では、卒展作品を中心に、芸工大生70名の作品を収録しています。また、作品だけではなく、学生それぞれの制作コンセプトも掲載することで、彼らがどのような思いで作品を作ったのかがわかります。画像と言葉のセットでページを読み進めることができ、展示会場で作品を鑑賞する醍醐味とはまた異なり、学生個々人が作品に込めた思いや制作エピソードが、静かに伝わってくるような魅力があります。


■「個」だけではなく、「チーム」による可能性にも注目

現在、チームで表現活動を行う「アーティスト・コレクティブ」が再注目されています。集団やグループでアート活動を行うことは近年に見いだされたものではありませんが、芸工大では近年特に着目しています。その背景には、個人ではなくチームであるからこそ可能な企画の立案・実現を通し、これからの時代の新たなアーティスト像を社会に対して提案しながら、学生たちが卒業後の活動範囲を拡大させ、コミュニケーションを活発化させる機会として欲しいという教員たちの思いがあります。そこで「the Team」と銘打ち、アーティスト・コレクティブという方法で表現活動を行う学生たちから企画を募集し、11チームの応募から3チームを選抜。本書に展示の様子を紹介しています。


■第一線で活躍するアーティスト、デザイナー、キュレーターたちの目線

本書では、卒展作品を中心に収録しながら、現在そしてこれからの美術・デザインを考えていくためのメッセージや作品に対する批評を、第一線で活躍するアーティスト、デザイナー、キュレーターの方々からご寄稿いただきました。例えば、音楽家でアーティストの蓮沼執太(はすぬま・しゅうた)さんは、「集団」という流動的な関係性の中での「個」の考え方について記述しています。また、テキスタイルデザイナーの須藤玲子(すどう・れいこ)さんは、デザインと工芸の違い、そして卒業・修了制作に費やした時間の価値についてを記述しています。そのほかにも、大山エンリコイサム氏(アーティスト)「美術家の感覚」、石川卓磨氏(美術家、美術批評)「〈これからの制作について〉のアドヴァイス」、加藤育子氏(スパイラルキュレーター)「世界の行き先を変える、アートの力」、そして、岡部信幸氏(山形美術館学芸員)からは、「傾く空間 差延・迂回・斜行」と題し、本学のアーティスト・コレクティブ「theTeams」企画で行った3チーム「type club」、「knock at」、「遍く降り注ぐ光」の展示についての展評をご寄稿いただきました。

新型ウィルスの大きな影響により、社会全体が大きな変化を余儀なくされ、美術・デザインもまたその例外ではありません。「CHANGE MAKER」を掲げる本書では、本学出身の若い作家たちが現在何を考え、表現しているのか広く社会に発信すべく、本というメディアを用いました。美術業界の方々、在学中にお世話になった多くの皆様、学生たちの学修の成果をぜひご覧ください。

インターネットでのご購入はこちらから

監修:東北芸術工科大学
執筆:青山ひろゆき、石川卓磨、大山エンリコイサム、岡部信幸、加藤育子、小金沢智、須藤玲子、長沢明、中山ダイスケ、蓮沼執太
デザイン:佐々木俊(AYOND)
写真:草彅裕
出版社:左右社
定価:本体2,000円+税
仕様:B5変型並製/160ページ
発行日:2021年3月31日 第一刷発行
ISBN:978-4-86528-028-9 C0071

※楽天ブックスよりネット購入いただけます。掲載ページはこちらをご覧ください。


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