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2022.04.11

イベント・展示会

「東北画は可能か?」プロジェクトの展覧会を原爆の図 丸木美術館で開催

「東北画は可能か?」は、東北における美術を考える活動としてスタートしたプロジェクトです。美術科日本画コース教授の三瀬夏之介(みせ・なつのすけ)をはじめ、在学生、卒業生らをメンバーに活動を続けています。
この度、原爆の図 丸木美術館(埼玉県東松山市)主催で『東北画は可能か? -千景万色-』と題した展覧会を開催いたします。お近くの方はぜひ会場に足をお運びください。


企画展「東北画は可能か? -千景万色-」


会期 :2022年4月16日(土)~7月3日(日)、月曜休館 (※月曜祝日の場合は翌平日)
時間 :9:00~17:00
入館料:一般900円、中高生又は18歳未満600円、小学生400円
会場 :原爆の図 丸木美術館(埼玉県東松山市下唐子1401)

【関連イベント】
●4月16日(土)13時~14時30分
 オープニングトーク「東北画とは何か?」
 岡村幸宣(丸木美術館学芸員)×三瀬夏之介(東北芸術工科大学)×鴻崎正武(女子美術大学)
●4月17日(日)13時~14時30分
 南島興(横浜美術館学芸員)
●6月19日(日)13時~14時30分
 石倉敏明(芸術人類学、神話学)×小金沢智(東北芸術工科大学、キュレーター)×三瀬夏之介
●7月2日(土)13時~14時30分
 椹木野衣(美術批評)
●7月3日(日)13時~14時30分
 「東北画とは何だったのか?」
 三瀬夏之介×鴻崎正武

【関連展覧会「後発的当事者」】
会期:4月16日(土)〜6月11日(土)
会場:原爆の図 丸木美術館 2階アートスペース
「後発的当事者」は、実際にその事柄の関係者でないにも関わらず、その一端を担おうとする態度を指す造語です。本展では、東北画の活動の中で多くの人々や土地に触れ、描くことを足がかりに、東北という土地のもつ山岳信仰や震災の記憶に向き合い続ける渡辺綾、石原葉、富永和輝の作品を展示します。

【美術出版社より画集を発売】
「東北画は可能か?」の2009年から現在までの活動と作品をまとめた書籍を2022年6月、美術出版社より刊行予定です。
5,800円+税、144頁(予価、頁数予定)
ISBN 978-4-568-10545-2 C0070

【趣旨】
「東北画は可能か?」という深い問いを発するプロジェクトは、2009年に東北芸術工科大学の日本画コース教員・三瀬夏之介と洋画コース教員・鴻崎正武によって立ち上げられた。2011年3月の東日本大震災に深くかかわる《方舟計画》は、その象徴的な作品と言える。このたび、原爆の図丸木美術館で「東北画は可能か?」展を開催するのも、20世紀の戦争の惨禍を象徴する連作絵画「原爆の図」を常設していることと無関係ではない。
「原爆の図」の共同制作者として知られる丸木位里と丸木俊は、一方で、各地の民話に関心を寄せて数多くの絵本を描き、とりわけ東北地方にはたびたび足を運んで、たくさんの風景画も描き残した。土地に根づいた人間のしたたかで豊かな暮らしと物語は、激動の時代を生き抜いたふたりの画家にとって、生涯の重要なテーマであった。その暮らしを奪われ断ち切られる不条理な痛みと悲しみも、またひとつの民話であったのだろう。
21世紀の東北に根ざした画家と学生たちの紡ぎ出す民話が、「原爆の図」のある美術館と接続する。この刺激的な試みは、亡き画家夫妻にとって、よろこばしい未来だったのではないかと想像する。そして現代を生きる私たちにとっても、それぞれの新たな問いが立ち上がる機会となることを願っている。
(原爆の図 丸木美術館)

展示詳細