広がり続ける
博物館の役割に理解を深め、
地域に根差した活動を
実践する力を養う
日本には現在、5,700館を超える博物館(=ミュージアム)があり、展覧会や教育普及事業等さまざまな活動を通して、多くの人々に学び、楽しむ場として親しまれています。
博物館で働く時に求められる学芸員資格を取得するための本課程は、今日多様な仕事が求められる「博物館」にかかわる専門家を育成することを第一の目的としています。博物館は、総合博物館、美術館、歴史博物館、科学技術館、動植物園や水族館などの施設も広く含みます。4年間の課程での学びを通して、博物館の成り立ちや社会的機能を理解し、展示・保管・資料整理・調査研究等に携わるための知識を身につけます。そして近年益々重視されてきている、博物館と地域との関わりについても理解を深めます。これらを学んだ上で、さらに学内と学外での博物館実習による経験を積んで実践的対応力を体得することを目指します。
Qualification
取得可能な資格
学芸員課程は全学部生に開かれており、「博物館に関する科目(全19単位)」をすべて修得することで、卒業時に「学芸員資格」の取得ができます。
学芸員資格は任用資格のため、実際に学芸員になるには各博物館や美術館の学芸員採用試験を受験し合格する必要があります。
Curriculum
授業紹介
ミュージアム展示論
資料保存や照明等の展示についての基礎知識を学ぶとともに、自身の関心に基づいた展示企画書、展示リスト並びにプラン作成を実践します。また、学内ギャラリーでの展覧会企画の過程を実例として取り上げ、展示の実際を学びます。
ミュージアム実習1
学外での実習前のトレーニングとして各分野の専門家を招聘し、学内にて資料の取り扱い方法、梱包方法、調書作成方法等を実践的に学びます。また、資料の修復についての理論も学習します。
ミュージアム実習2
各自の専門性や将来の進路希望に沿った実習館を自身で選択し、主に夏休み期間中に1週間程度の実習を行います。その後、実習での学びについて報告会を実施します。
Professor
教員紹介
加藤 絵美 専任講師
Kato Emi
専門分野:近代デザイン・工芸史、博物館学
本学の学芸員資格課程の特徴に、全学部・全学科の在学生に開かれた課程であることが挙げられます。作品や資料に興味がある、博物館に行くことが好きなど、様々な動機に基づいて様々な分野の学生が履修します。美術大学ならではの制作を主体とする学科からデザインや歴史や文化財、文芸に関する学科に至るまで、自身の専門とする領域に軸足を置きながら、他の学生とともに博物館学に基づく学びを深めていきます。その過程で、自分一人では得られない数多くの気づきが待っていることでしょう。
また近年とくに重視されているのが、生涯学習の立場から各種教育的活動や地域との連携に主体的に取り組む力です。人類共通の財産である芸術作品や資料を尊重しながら継承するという基本的な姿勢に加え、それらを活用する想像/創造力を養うことは、学芸員という仕事の枠を超えて、将来社会に出た際にも活かすことにつながると言ってもよいでしょう。卒業後の人生をも豊かにする可能性を、本学学芸員課程で養ってみませんか。
Career
進路
進路一覧
東京国立博物館、東京文化財研究所、東北歴史博物館、山形県立博物館、那珂川町馬頭広重美術館、諸橋近代美術館、筑波大学大学院、東京藝術大学大学院、東北芸術工科大学大学院 ほか