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Printmaking

同時に多くの人に伝える
リアルな思い

複数印刷できることから人々に情報や宗教を伝達するための印刷術でしかなかった版技法はその後、作品を複数印刷し広く伝えられることや、直接描くのとは違う特徴的な表情を持つことで、「版画」というジャンルとして美術の世界に取り入れられました。思いを伝えることに上手下手はありません。より強く伝えられるよう内面の世界を磨き、それを表すための技術を磨く。様々な版技法の習得に加え、デッサンなどの基本的な造形力の学修からドローイングや素材研究、製本も通して自身の世界を見つけていきます。手を動かし手で考えることを繰り返し「自身が何かを伝えること」を獲得することは、この世界で自らがどのような生き方をしたいのかを知ることにつながります。

Feature

特徴

多角的に学ぶモノづくり

1年次より本格的な版画制作を学ぶほか、紙漉きや製本といった技術も習得し、作品の全ての工程を自身の手で行います。様々なことを学び、責任を持って作品を作りあげることで、思考力や実行力を養います。

個々の資質に合わせた指導

作品を完成に導くまでのプロセスを少人数クラスで密接に指導。刷り上がりが予定と違っても、教員とディスカッションしながら臨機応変に考え、粘り強く修正を加えます。表現の可能性と自在性を広げることが目標です。

他学科との連携で養う広い視野

1・2年次に美術科全体や洋画コースと合同で行う授業があることも特徴。3年次には文芸学科と文章と版画のコラボによる画文集を制作します。自己表現に加え共同制作による感性のコミュニケーション能力の開発に挑みます。

Curriculum

授業紹介

細かい描写や金属の重厚な質感も表せる銅版画、豊かで深い色彩の木版画、鮮やかな色彩で多素材にも刷れるスクリーンプリントを中心に学びます。版技法習得のほか、他学科コースとの交流授業や紙漉き、製本など多角的に学びをステップアップ、何が刷れるか分からないドキドキ感だけだった版画制作を、自身で計画し完成まで導く責任ある姿勢に成長させていきます。

カリキュラム

1年次

デッサンや彫塑など基礎造形力をつける一方で、銅版画、木版画、スクリーンプリントの版技法を基礎から学び、作業の作法や版画制作のプロセスを体得します。それぞれの特性の違いを知り自身の表現を考え始めます。

デッサンやドローイング、コラージュを通して造形力の幅を広げながら、学修した3種の版画演習から一つを選び、画面構成や技法の効果を考えながら版画による表現を試みます。

2年次

自己開示のためのドローイング演習、版画の古典技法(木口木版画)習得、和紙制作など多角的に自身の感覚を触発し、広く表現の可能性を探究します。高い完成度と幅広い表現を目指した大作も制作し、学内で展覧会も開催します。

ヨーロッパで行われていた木口木版という微細な表現ができる古典技法を通して、緻密な作業の厳しさや手に伝わる素材の感触を学び、版画の原理への理解も深めていきます。

3年次

より深く技術や素材、表現の動機を探求します。文芸学科学生との協働授業では、他者と自己を理解し作品を制作し画文集を刊行、作品を発信する責任や意義を見出します。卒業後の進路も模索し、自身のあり方を総合的に考えます。

*1紙を自作、版や紙など版画制作には必要な素材から発想を展開させることで表現の幅を広げていきます。
*2文芸学科学生との画文集を製本し、全員の作品を一冊の本にまとめます。

4年次

卒業後の進路を明確にしながら、4年間の学修の集大成としての卒業制作に挑みます。これまでに獲得した感性や技術を集約させ、最大限に自身を映す表現へと昇華させます。

集大成としての卒業制作では、計画立案から途中の検証や修正も自身で主体的に行い完成に導きます。4年間の版画制作で培った能力を社会での自立と実行力につなげます。

Career

進路

取得可能な資格

卒業時取得可能資格

小学校教諭一種免許状、中学校教諭一種免許状(美術)、高等学校教諭一種免許(美術)、学芸員
※指定の科目を受講することで取得できます。

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Professor

教員紹介

中村桂子 コース長

Nakamura Keiko
教授/木版画

過去から未来へ 版画が世界にできること

災害や、病い、政治の対立など、混迷の現代にあって人が「つながり」「関わる」ことが強く意識されるようになりました。芸術には、国や言語の違いを越えて思いを伝える力があります。自ら版を作り刷り上げる版画には、Webのバーチャルな世界やプリンターで出力された印刷物とは違う物質感を伴った温度があり、複数刷ることで同時に多くの人にオリジナルの作品を届けることができます。見るだけでなくリアルな感触まで手渡せるのです。そしてアートとして壁に飾るほか、絵本など本の形態にして絵と共にストーリーや詩も印刷し、鑑賞者に好きな時に好きな場所でそれを見て感じてもらうことも可能です。版画は原始的でありながら、新たな人と人の関係を作る未来につながるメディアでもあるのです。

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