DEPARTMENT OF INFORMATIQUE: FUTURE DESIGN | GAME DESIGN「ゲームデザインコース」

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ゲームデザインコース

学生×教授対談 相沢直樹(4年)×白神浩志 教授

相沢
前回までは展示的にパソコンむき出しで、パネルだけがあって、展示スペースに入りづらい環境になっているのかなというのがあったのですが、今年は誰にでも来やすいような雰囲気作りをして、なおかつ気軽に遊んでもらえる、楽しんでもらえることを卒展のテーマに掲げました。今年の取り組みを見ていると、遊びの種類を研究している学生も多くて、誰にでも来てもらいやすく、楽しめる展示にしようと考えています。
白神
その辺が今年は新しい。ゲームコースが始まってから今回で4年目。今までは自分が考えたものを形にして見せるとこまでで精一杯だった。今回は、見せて、それを人に楽しんでもらう、遊んでもらうためにどういうことができるかということを狙った展示にしたいよね。これまで3階だったのを、頑張って1階でやりたいんですって卒展委員会で発表して支持されてやることができた。これはつまり名誉なことだし、逆にすごいプレッシャーで、大変だよ(笑)。人が入ったところでバンッと展示にする、 その辺は上手くやってる?
相沢
色々と頑張っています。
白神
基本はテレビゲームに代表されるような遊びのコンテンツを、よく考えて企画して、面白さ楽しさはこういうところにあるんですよっていう説明ができる試作版づくりを勉強する。テレビゲームに限定してるんじゃなくて、一番デザインの方法が確立してるから勉強する素材としていいのがテレビゲーム。で、4年の卒展でこれまで勉強したことを応用して、楽しいコンテンツ・遊んでもらえるコンテンツを作ってみる。ここにいる相沢の場合だと・・・、ちょっと自分で紹介してよ。
相沢
僕は、親子で楽しく運動ができる映像コンテンツを考えています。最近の子どもは外で遊ぶ機会が少なくなっていて運動能力的に昔より低下していると感じたので。小さいうちからお父さんお母さんと一緒に何か楽しく運動することで、トレーニングできる遊びを考えました。テレビゲームだけではなく、ここがちょっと面白いなって思ったのを引き出した新しい遊びを応用で考える。例えば、既存のカードゲームをより改良して楽しんでもらえるためにはこういう風にしたらいいんじゃないかとか。そうしたいろんな遊びを、様々な形で応用して提案する感じでやってます。
白神
相沢のは『親子のためのゲームデザインコンテンツ』。それはゲーム仕立てになってるのかな?
相沢
現在まだ制作中なので、自分の中でも模索しているところです。
白神
彼が運動のお兄さんあるいはお父さん役になって画面の中で運動をするのを子どもが見て、ゲーム的な動きが面白いから真似したり、体を動かせるみたいなことを狙って。
相沢
ゲームというよりは映像で提示する形。それを見て親子が一緒に運動してもらえるような提案です。
白神
ゲームのデザインを活かすと、普通の体操ビデオから一歩抜け出たゲーム的な面白さがあるので、普通のビデオよりももっと楽しくできるのを狙ってくれたら一番いい。フラッシュとか3DCGを活用して運動の教本を作るようなね。で、そこにどんな工夫をするともうちょっと面白いとか、やる気になるかっていうところを狙いたいね。上手くやるのは必ずしも容易ではないけれど。
相沢
もちろん狙いますよ!
――
企画を思いついたきっかけはどういうところにあったんですか?
相沢
僕はスキーをやっていて、自分が好きなものをテーマに活かして作ろうかなって思っていたんです。そんなときに、車社会の中で最近の子どもが運動不足で、走り幅跳びといった種目で年々能力が衰えていて、あんまり上手く歩けないとか、スキップできないというニュースを見たものですから。それに触発されて、一緒に親子で楽しく運動できる何かを作れたらって。そこに4年間自分がゲームの遊びの本質について学んできたことを取り入れたいと思いました。小さい子どもが運動不足になっているのは、お父さんお母さんの責任もあると思うんです。もちろん、一緒にやっている親御さんもいるんですけど、それを少しでも改善できるようにと、このテーマに取り組みました。
白神
ゲームデザインコースである以上、基本的にはゲーム的な企画、コンテンツの提案をしなさいってのが卒業制作のテーマになるんだよね。で、彼の場合は自分が日頃からスキーで体を動かす背景があって。ゲームがこのままとても普及したメディアになって、子どもがみんな、3歳ぐらいからいじるようになったら、このようなコンテンツもどんどん増えていくのではないかな。ゲームにも色々あるけど、すでにあるメディアを上手く使ったら、子どもに役に立つものが色々できるよねっていう素直な発想で、いいテーマを選んでくれたと思う。
――
最近のゲーム機のメディアからなにか触発された、影響を受けたっていうのはありますか?
白神
ビリーズブートキャンプのことは言ってたよな?あれはあれでデザイン的な要素があるよね。やっているとビリーが励ましてくれるとか(笑)。案外そういうのも、デザインとして取り込んでいて、対象を子どもに適応してみたらどうなるかなっていう企画をやってるわけだよな。
相沢
そうですね、どうしてそんなに人気なのかっていうのも研究しました。僕自身としてはやっぱり何かを、ゲームという概念を使って自分の体を使って体験してほしいと思いました。
白神
グループワークやプロジェクトの進行管理と編集の手法など、ゲームデザインコースで学べたものは色々とあったと思う。その辺のところは卒展の作品の中に上手く現れていると思う?
相沢
そうですね。反映させていきたいと思っています。
白神
というのは、このコースでは、子どもが見て一緒に遊びたいなとか、お父さんと子どもが見て“じゃあ一緒に遊ぼうか”とか、ユーザーに対して誘発とか喚起をどうしたら上手く作れるかってことをデザインの原則として学ぶのね。だから、制作したものには全部制作意図や説明を付けるのがポイントで卒展のねらい。去年までは作って精一杯だったんだけど、今年は見て遊んで楽しいと思ってもらうために議論して提案しているから、後はもうその大宣言に合う作品とディスプレイができるかが問題。他にも卒展に来てくれたお客様が絵やスノードームを作るとか、あと携帯のゲームのコンテンツは間に合うかな(笑)。お客さんが自分の動画の絵日記が作れるような携帯で使えるサイトを考えて、実際にお客様にいじってもらうっていうような趣旨。それってすごく面白くなりそうだよね。
相沢
実際に僕のブースで映像を見て更に体験してもらって何か凄いとか楽しいとかやってみたいなという感情を持ってほしいです。そういうものに見合った展示をしないとなって、プレッシャーです(笑)。
白神
がんばって、ゲームデザインコースのコンセプトが伝わるような展示にしてください。
相沢
僕逹はゲームデザインコースの展示全体を、テーマパークの様な統一性のあるものにしたいと考えているんです。僕の展示ではターゲット層は親子なんですけれど、実際に遊べるテレビゲームや折り紙教室など楽しい作品がたくさんあるので、色々な層の人に楽しんでもらえる展示になると思います。
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