中山ダイスケ学長がファシリテーターとなり、学内外からゲストを招いてさまざまな分野の話題を掘り下げる在学生対象のトークイベント【TUAD TALK】。今回のテーマは、「秋です。たくさん食べましょう」!本学が誇る学食のシェフである直島幸司シェフと猪倉健シェフとともに、気になる学食のことや食について、中山学長とパンチの効いた面白いトークが繰り広げられました。私たちが日々学んでいるクリエイティブを厨房で行っているお二人、一体どんなお話が聞けるのかワクワクしますね!以下TUAD TALKスタッフがレポートします!
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ホテルのシェフが学食のシェフになるまで
お二人が学食のシェフになるまでは、どこでどんなことをしていたのでしょうか…?
直島シェフ:「高校を出てから1年間調理師学校で勉強をしていました。その後は山形のグランドホテルに就職し中華料理を選び入ったのですが、最初の方の半年間は下積みで仕込みをしていました。でもたまたま人が抜けてしまって、半年後にもう料理を出すポジションに入ることになり前菜を作らせてもらっていました。」
直島シェフは中学校の頃から料理人を目指し始め、よく料理をされていたみたいです。いつも遅くまで仕事をしてくれていたお母さんを想って、「自分が料理人になってご飯をたべさせてあげたい」と思ったとお話ししていました。中学生ですでにシェフの道は始まっていたのですね…!そしてここで中山学長から一つ、こんな質問が。
中山学長:「ドラマとかだとほかの料理人から嫌がらせとか受けると思うんですけど、そういうのは無かったですか?包丁を隠されたりだとか。」
直島シェフ:「それは無かったですね、隠されたりもしませんでしたよ!」
よかったです。ドラマでよくあるシーン!本当にそんなことがあるのかな…とドキドキしながら聞いていたので直島シェフの笑みにホッと安心しました!
高校生の時に料理人になろうと、上京した猪倉シェフ。東京の調理師専門学校では色々な課題があったようで…?
猪倉シェフ:「専門学校1年目は直島さんと同じように、和洋中を全部やりました。学校では、和食だと桂剥き、洋食だとシャトーというジャガイモを丸く剥くテストがありました。自分は桂剥きの方が得意で和食の道を勧められたのですが、洋食専攻だったので2年目も洋食の道に進みました。それから新宿のヒルトン東京というホテルに就職して、3,4年は魚や肉の下処理専門のブッチャーキッチンという所で働いていました。」
中山学長:「僕、シェフとか料理人のドラマとか映画が大好きで。シャトーってジャガイモをボールみたいに丸くしなきゃいけないんだよね。でも、学生が練習のためにジャガイモを大量に買って剥くのは難しかったんじゃない?」
猪倉シェフ:「そうですね…。練習の時は生卵を割らないように包丁を添わせて感覚を掴んでいました。」
シャトーという切り方はラグビーボールのような形にする切り方で、表面をツルツルに切るのには沢山の練習が必要だったようです。生卵を割らないようにするのも難しそうです…!これには会場中が興味津々でした。
シェフの想いがギュッと詰まった、学食メニュー
次の話題は学食のメニューについてです!いつも美味しくて美しい、素敵な学食について皆さんも知りたいことがたくさんあるのではないでしょうか?
中山学長:「A定食・B定食・C定食ってあるじゃないですか。あれって毎日メニューが変わっていますが、週ごとではなく毎日変えるのは学生へのサービスですか?それとも自分達のモチベーションのためですか?」
直島シェフ:「そうですね。自分たちのモチベーションもありますが、やはり学生の皆さんに飽きがこないようにですね。昨日もあれ食べたなと思われないようにしています。」
いつも大人気ですぐに無くなってしまう日替わり定食。学生のことを想って、日替わりにしてくださっているなんて…!日替わり定食のために学校に来る学生の方も多いはず。私も毎日楽しみにしています。そんな日替わり定食のメニューはだいたい1か月先まで考えられているのだとか!
中山学長:「お二人は学生との直接的な関わりってあまり無いかなと思うんですが、なにか学生とのエピソードはありますか?」
直島シェフ:「結構ありますね。カウンター越しに、『昨日の麻婆豆腐やばかったです!』とか、『美味しかったです!』とか言いに来てくださる学生さんがいらっしゃいます。」
猪倉シェフ:「自分も学生さんから直接ではなかったんですけどありましたね。週替わりを担当した時、『この週の週替わりのメニューがすごく美味しかったのでまた作ってください!』と洗い場のパートさんに言われた時はすごく嬉しくて、次もやってやるぞ!となりました。」
学食の提供口から感想をシェフに直接伝える学生さんも沢山いるみたいです!いつも学食を作ってくださっている方々に感謝の気持ちはもちろん、感想も伝えていきたいですね。
そして今回TUAD TALK出演記念として、お二人が特別メニューを考えてくださいました!当日のお昼限定のメニューはエビチリチャーハン弁当とグリルチキン・栗のバルサミコソースがけという名前から美味しいが溢れている豪華な二品。スクリーンに大きく映し出された特別メニューに「おいしそう!」「食べたかったな〜」という声があちこちから聞こえてきて大盛り上がり!それぞれのお話を詳しく聞いていきましょう。
猪倉シェフ:「グリルチキンに栗のバルサミコソースをかけました。バルサミコは結構甘いソースになることが多いんですけど、それをダイス上にカットした栗と一緒に煮込んでみました。1番合うのはチキンかなと思ってチキンにかけてみました。ソースは朝作って、出すギリギリまで煮込んでいました。」
やはり美味しくて直ぐになくなってしまったようでしたが、このメニューを食べた学生から「美味しかったです!」の声が席から聞こえてきました。是非これからの特別メニューとしても復活を期待しています…!
直島シェフ:「チャーハンとエビチリが実は得意料理でして、TUAD TALK出演記念ということでチャーハンにエビチリをかけたお弁当を作ってみました。」
芸工大のコンビニは学食が経営しており、毎日11:30になると学食から特製弁当が運ばれてきます。TUAD TALK出演記念のチャーハンにエビチリがかかった夢のようなこのお弁当は5分で完売だったようで、いつもに増して多くの学生が列を作りました。コロナ前の小鉢に代わってお弁当が誕生したそうですが、自分のアトリエや作業場で美味しいものを食べたい!という芸工大生の願いが、お二人の作るお弁当によって叶えられているのですね。学食もお弁当も、毎日チェックしなくては…!
学生からの質問!シェフの自信作と夏休み突然現れた豪華メニューの謎
学食のお話をたくさんしていただきトークも盛り上がってきたところで、学生からシェフのお二人への質問を募りました。
学生1:「お二人の今まで作ったメニューの中で、自信作を教えてください!」
猪倉シェフ:「ローストポークと、パンとサーモンのグラブラックスというコース料理みたいなものを作った時ですね。学食に入った当初2階で特別メニューとして出したんですが、ソースも上手くいったし自分の中ではやりきったな!という気持ちがありました。」
2階でコース料理のようなメニューがあった事に驚きました。洋食の猪倉シェフのコース料理だなんて…ぜひとも在学中に1度食べてみたいです!
直島シェフ:「激辛麻婆豆腐ですね。」
中山学長:「殺人級の辛さだったよね。」
猪倉シェフ:「食べ物で泣いたのはあれが初めてでしたもん。」
直島シェフの激辛麻婆豆腐は、直ぐに思い出すほどの辛さだったのでしょう。中山学長も猪倉シェフも口々に思い出を語り出します。
中山学長:「学食中が大騒ぎだったね。僕も話したことのない学生からこの麻婆豆腐は辛い辛いって話しかけられたもん。」
直島シェフの激辛麻婆豆腐で繋がる新たなコミュニティ!直島シェフご本人も3回味見したら汗が止まらなくなる程の辛さみたいです。唐辛子やハバネロを入れることでそれほどまでの辛さになるとか…!しかも日に日に唐辛子を増やしていっているようなので、次に学食に現れるときはぜひ皆さんも挑戦してみてはいかがでしょうか!
直島シェフのほかのヒット作を聞くと今コンビニに並んでいるお弁当ということで、学食で食べる時間が無い時にお弁当は本当に助かります。種類がたくさんあるので毎日要チェックです!
学生2:「今年の夏休みに提供された特別メニューが豪華だったのですが、何種類ありましたか?豪華だったのに低価格だったので、色々裏話が気になります!」
実は夏休み終盤に豪華なメニューが数量限定で提供されたみたいです。中山学長も「あれ急に始まったよね。どうして?」と会場中もザワザワ…興味津々です。
直島シェフ・猪倉シェフ:「日替わりで大体10種類くらいでした。ステーキ丼と鰻重、豚カツ、ネギトロ、筋煮込み、鮎の煮浸し、牛しゃぶ、あとサーモンのスパゲッティ、板そば、天丼ですかね。夏休み中の学生にいいものを食べて元気になってもらおうと始めました。」
中山学長:「じゃああんまり人が来ない時にやれることだったんだ。」
直島シェフ・猪倉シェフ:「そうですね。使っている食材も食材でしたし、手間も時間もかかっていたので通常だと捌ききれなかったので…。」
本当にレアな特別メニューだったようで、噂が人を呼んで学食の外まで行列が連なるくらい並んでいたみたいです。夏バテしがちな夏休みですが、学生のことを想ってスタミナ満点のメニューを作ってくださっていたのですね!この特別メニューのおかげで新学期を元気に迎えられた学生がたくさんいたことでしょう。私も全て制覇したかったです!
今回のTUAD TALKでは、厨房でクリエイティブを繰り広げているシェフのお二人からたくさんのお話を聞くことができました。学食の謎やお二人のことを知れて、終始ワクワクが止まらないトークでしたね!皆さんも「食べること」について一緒に考えることができましたか?これからも食材や私たちの食を支えてくださる方に感謝を忘れずにいきましょう。直島シェフ、猪倉シェフ、美味しいお話ごちそうさまでした!
次回のTUAD TALKもお楽しみに!
(文:グラフィックデザイン学科 山本凜、撮影:class studio、企画構想学科 神谷凱斗)
東北芸術工科大学 広報担当
TEL:023-627-2246(内線 2246)
E-mail:public@aga.tuad.ac.jp
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