GOLD|優勝(文部科学大臣賞)・市民賞

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『リアル人生ゲーム』

国分寺高等学校(東京都)
森田悠生(1年)/田中陽菜(1年)/三橋星蘭(1年) 儀部佳織 教諭

お年寄りと地域をつなぐボランティア革命

介護士の母を手伝い福祉施設に行った時、お年寄りとの会話に困ったことがありました。また学校の「奉仕の時間」に街のゴミ拾いを行った時に、ゴミが無くてすることがなく、つまらない思いをしたこともありました。そんな経験から、私たちはボランティアの時間をもっと楽しくしたい、もっと貢献したいと思うようになりました。私たちがデザインしたこのゲームは、お年寄りのリアルな人生を一つひとつの「コマ」に反映したボードゲームです。「祭」「ご飯」「正月」「おやつ」「テレビ」など、年齢を問わないテーマを幾つか設定してお年寄りからお話を伺い、カードの「コマ」として作成。お年寄りが歩んできた人生を双六ゲームとして遊ぶことができます。遊び終わったゲームボードは本人にプレゼントすることで、お年寄り自身が家族に自分のことを伝えるツールにもなります。私たち自身も、今回のアイデアを実現するためにお年寄りと関わるなかで、「お年寄りは考え方が固い」という先入観が払拭され、自分たちの想像を遥かに超える面白さを持った方々だと気がつくことができました。

二次審査時の提案パネル  PDFダウンロード

受賞者の声

森田悠生(1年)

試行錯誤を繰り返し、アイデアが形になっていくことが嬉しかったです。またこのアイデアを介護施設で実際に行ったとき、喜んでくれたおばあちゃんたちの姿を見て、デザセンに参加して良かったと改めて思いました。プレゼンテーション方法で悩んだこともありましたが、周りの方々のアドバイスや応援に助けられました。相手の視点に立って考える「デザイン」の大切さを実感しました。

田中陽菜(1年)

デザセン決勝大会に出場することが決まってからの約1ヶ月は毎日デザセンの準備をしました。何度も心が折れそうになりましたが、3人でなんとかやりきりました。今回のデザセンを通じて、人と話すことで物事を様々な方向から見ることができるようになったのは、これからの人生で大きく役にたつと思います。一生経験できないような貴重な体験ができました。

三橋星蘭(1年)

率直に言います!楽しかったです!初めてのデザセン。初めての全国大会。最初は自分のボキャブラリーだけでプレゼンのシナリオを書いていましたが、他の人からの多角的な視点を取り入れどんどん良くなる体験をしました。最初は不安でいっぱいでしたが、自分なりに精一杯やってきて、それを本番で発揮できたことはとても嬉しいです。大きな舞台に立てたことを光栄に思います。

儀部佳織 教諭

プレゼンテーション後半の画像が流れず、観客のみなさんに準備した映像をご覧いただけなかったことが心残りではありましたが、「デザセン初出場」「初優勝」の快挙に大変驚いています。ありがとうございました。高校1年生は見通しが甘く、プレゼンテーションで発表するには越えなければいけないハードルが数多くありましたが、大会出場が決まってすぐに提案を実際に試したことが正解でした。生徒たちは人生で初めて経験することにチャレンジし、必ず失敗。またプレゼンでは、プレゼン者の個性がでるべきなので、正解がないことも大きな関門でした。しかし決勝大会の会場となった東北芸術工科大学に来てからは、学生サポートスタッフの熱い応援メッセージを受け、しばしば私の涙腺が緩みました。生徒は担当の学生サポートスタッフとすぐに仲良くなり、大学構内を飛び回り大満喫。アドバイスを沢山貰い自信を持って本番に挑むことができました。苦労の連続でしたがその全てを吸収しながら、3人と共に私も成長していくことができる唯一無二の大会でした。事務局、学生スタッフに心より感謝申し上げます。

デザセン学生スタッフからの応援メッセージ

二次審査で誰もが気になっていた、あの「リアル人生ゲーム」を提案した1年生は、一体どんな子たちだろうと当日会えるまでドキドキしていました。3人は、1年生とは思えないほど自分の意見をしっかりと持っていて、とても頼もしかったです。「きっとこの子たちはすごいものを見せてくれる」と、会った瞬間に確信できました。何よりも感心できたのは、本番の動画が流れないというハプニングに対し、「あの動画がなかったからむしろ質疑応答で良い答えが出せた」と言っていたことです。素晴らしい…。この提案を実際に全国の高校生に体験してもらいたいですね。これから先もいつも誰かのために一生懸命でいられる素敵な3人でいてください!

チームサポート
内ヶ崎美奈(グラフィックデザイン学科4年)

初めて顔合わせをした時には、アドバイスしたことをきちんと理解してまとめてくれていて、発表慣れもしている最強の1年生チームだと思っていました。しかし、その裏では本番までに膨大な量の努力をしてきてくれたのだと思います。プレゼンでは映像が映らない予想外のハプニングもあり、僕達も固唾を呑んで見守っておりましたが、焦ることなく大人顔負けの質疑応答で挽回した所に強く感動しました。デザセンスタッフ最後の年を優勝で飾れて僕達はとても幸せでした。今後はその膨大な努力のできる素敵な才能を活かして、提案したアイデアに多くの人を巻き込んでいって欲しいです。次は新聞やニュースでこのアイデアを目にするのを楽しみにしています。また必ずどこかでお会いしましょう!

チームサポート
森 義澄(企画構想学科4年)