デザイン:奥山千賀(JEYONE)
ダイナミズムの源流 HEAVY META II
- 会期=2009年9月28日[月]−10月10日[土]
- 会場=東北芸術工科大学
(第1会場:7階ギャラリー+第2会場:芸術研究棟) - 時間=10:00−18:00(土曜は17:00まで/入場無料)
- 休館日=日曜・祝日
- 主催=東北芸術工科大学/META展実行委員会
- 企画・お問い合わせ=美術館大学センター
Tel:023-627-2091 E-mail:museum@aga.tuad.ac.jp
「日本人のアイデンティティとは何か」。海外滞在中、そればかり自問自答を繰り返していました。しかし、のどかな原風景が広がる山形に引っ越して以来、住む場所はどこであれ、〈日本人であること〉以上に、〈ひとりの人間であること〉を意識するようになりました。そんなタイミングで出会ったのが本展覧会「ダイナミズムの源流 HEAVY META II」です。
美術館大学センター企画の本展覧会は、芸術学部美術科日本画コース教員の長沢明が参画するグループMETAによる展覧会です。METAとは「無秩序の、世代を超えた、独自の、変容する」という意味が込められています。彼らは1998年以降継続的に制作発表を行い、2005年にはMETA IIとしてメンバーの再構成が図られました。現在は岡村桂三郎、斉藤典彦、山本直彰らを中核とし、伝統的な日本画の技法に足場を置きながら、現代という時代の中で独自の表現を模索し、大作に挑み続けています。メンバーの岡村桂三郎は「もう自分のことを日本画家と呼ぶのはやめよう」と脱日本画宣言をしています(『LR』8、1998年7月)。たしかに日本画をめぐる論争は1980年代後半以降、繰り返し行われてきましたが、METAのメンバーにとって「日本画」というジャンルはさほど問題ではないように思われます。彼らは日本画材を用い、「一表現者」として制作活動を続けているのでしょう。
それでは一体、彼らは何を表現しようとしているのでしょうか? 生きものに宿る生命力? 自然界のうつろい? 大地の循環? 人間の欲望? そして彼らを奮い立たせているものは何なのでしょうか? 本展覧会を通じて、彼らの内に潜む「ダイナミズムの源流」に迫りたいと思います。META Uメンバー10名による渾身の力作は、芸工大生へ熱いメッセージを送ります。
大画面から溢れ出るエネルギーから、あなたは何を感じとりますか?
(本展覧会コーディネーター 和田菜穂子)
●Events
- トークイベント
日時=2009年10月3日[土] 15:00−18:00(申込不要) - 会場=東北芸術工科大学7階ギャラリー
第1部:芸工大生へのメッセージ
「何故巨大な作品に挑み続けるのか?」
パネリスト=長沢明/岡村桂三郎/佐藤裕一郎/峰岡正裕/吉田有紀(出品アーティスト)
モデレーター=和田菜穂子[美術館大学センター准教授]
第2部:芸工大生との対話
「META vs 芸工魂:超越する芸術表現の行方は?」
出品アーティストと芸工大生らによるトークセッション
モデレーター=三瀬夏之介[芸術学部美術科日本画コース准教授]
『百鬼』
板、岩絵具/215×480cm/2009年
●Artist
- 岡村桂三郎|Keizaburo Okamura
- 1958 東京都生まれ
- 1985 第12回創画展で創画会賞受賞(同'88)
- 1987 春季創画会で春季展賞(同'89、'90、'92)
- 第9回山種美術館賞展で優秀賞受賞
- 1988 東京藝術大学大学院美術研究科後期博士課程満期退学
- 1993 第4回五島記念文化賞美術新人賞を受賞し、渡米
('94〜'95まで) - 1998 META展に参加
- 2004 第14回タカシマヤ美術賞受賞
- 平成15年度芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞
- 2006 岡村桂三郎展(佐藤美術館、東京)
- 2008 岡村桂三郎展(神奈川県立近代美術館、鎌倉)
- 第4回東山魁夷記念日経日本画大賞展で大賞を受賞
- 現在、多摩美術大学教授
『黙視』
高知麻紙、墨、鉛筆/97×162.1cm/2008年
- 梶岡俊幸|Toshiyuki Kajioka
- 1978 東京都生まれ
- 2002 第2回トリエンナーレ豊橋星野眞吾賞展優秀賞
- 2003 混沌から躍り出る星たち2003
(スパイラル、東京/同'04、'07) - 京都造形芸術大学卒業
- 2004 京都アートアニュアル2004(京都造形芸術大学)
- 2005 京都造形芸術大学大学院修了、修了制作が大学院長賞を受賞
- 第13回奨学生美術展(佐藤美術館、東京)、METAII展に参加
- 2006 京都新鋭選抜展(京都文化博物館)
- 2008 Cool Black展(大丸東京)
- 2009 梶岡俊幸展「The Birth Canal−未来へのうねり」
(スパイラル、東京)
『はるおか』
大濱紙、岩絵具、膠/181×284cm/2009年
- 斉藤典彦|Norihiro Saito
- 1957 神奈川県生まれ
- 1985 東京藝術大学大学院美術研究科後期博士課程満期退学
- 1989 第10回山種美術館賞展優秀賞
- 第16回創画展で創画会賞受賞(同'92、'93、'97)
- 1993 現代絵画の一断面−「日本画」を越えて−(東京都美術館)
- 1995 文化庁派遣在外研修員としてイギリスに滞在('96まで)
- 1997 創画会会員に推挙('05まで)
- 1998 META展に参加
- 2002 第1回東山魁夷記念日経日本画大賞展入選
(同'04、'06、'08) - 2007 斉藤典彦展−きもちよくながれる(平塚市美術館、神奈川)
- 現在、東京藝術大学准教授
『shadow in soil 094』
パネルに和紙、顔料、金属粉、染料/227×1820cm/2009年
- 佐藤裕一郎|Yuichiro Sato
- 1979 山形県生まれ
- 2001 第27回春季創画展、第28回創画展に入選
- 2002 第13回臥龍桜日本画大賞展優秀賞受賞
- 2003 東北芸術工科大学卒業、卒業制作展優秀賞
- 財団法人日本文化芸術財団奨学生
- 2005 個展(ガレリア・グラフィカbis、東京)
- 東北芸術工科大学大学院日本画研究領域修了
- 第3回トリエンナーレ豊橋星野眞吾賞展優秀賞
- 2007 個展(砂丘館、新潟)、METAII展に参加
- 日本画滅亡論(中京大学アートギャラリーC・スクエア、
愛知) - 個展(ギャラリー58、東京/同'08、'09)
『月山 PM7:00 7/AUG 2006』
楮紙、岩絵具、土、アクリル、水/134×300cm/2006年
- 竹内啓|Satoru Takeuchi
- 1960 長野県生まれ
- 1983 東京藝術大学美術学部絵画科日本画専攻卒業
- 1985 東京藝術大学大学院美術研究科修士課程修了
- 1987 個展(玉屋画廊、東京/同'91、'95)
- 1988 個展(ギャラリーなつか、東京)
- 1989 飛翔展(玉屋画廊、東京/〜'98)
- 1990 個展(彩光舎ギャラリー、埼玉)
- 1993 現代絵画の一断面「日本画」を越えて(東京都美術館)
- 1997 VOCA展'97 新しい平面の作家達
(上野の森美術館、東京) - 1998 「日本画」純粋と越境(練馬区立美術館)
- 2002 個展(アートギャラリー閑々居、東京/同'09)
- 2004 個展(香染美術、東京/同'06)
- 2005 METAII展に参加
『トブトラ』
寒冷紗に土、石膏、岩絵具、クレヨン/227.3×456cm/2009年
- 長沢明|Akira Nagasawa
- 1967 新潟県生まれ
- 1994 東京藝術大学大学院美術研究科修士課程日本画専攻修了
- 第5回柏市文化フォーラム104大賞展でTAMON賞大賞を
受賞し、渡米('98まで) - 1997 第8回五島記念文化賞美術新人賞を受賞し、渡英
- 第14回山種美術館賞展
- 1999 個展(村松画廊、東京)
- 2001 神奈川アートアニュアル2001
(神奈川県民ホールギャラリー) - META展に参加
- 2002 長沢明展「1994〜の仕事」(豊栄市博物館、新潟)
- 2004 平成15年度文化庁買上げ
- 2005 VOCA展2005(上野の森美術館、東京)
- 2006 MOTアニュアル2006 No Border
「日本画」から/「日本画」へ(東京都現代美術館)、
第3回東山魁夷記念日経日本画大賞展入選(同'08) - 2007 第26回損保ジャパン美術財団選抜奨励展
- 2008 第16回MOA岡田茂吉賞優秀賞受賞
- 現在、東北芸術工科大学教授
『宇宙樹-universal tree』
綿布、水干、岩絵具、他/174×336cm/2009年
- 樋口広一郎|Koichiro Higuchi
- 1970 埼玉県生まれ
- 1997 個展(スルガ台画廊、東京)
- 1999 東京藝術大学大学院美術研究科後期博士課程満期退学
- META展に参加
- 2001 個展(埼玉県立近代美術館一般展示室)
- 2003 モクモク展(ギャラリー6坪、新潟)
- 2004 ツマイリ時間展(出雲崎の町屋、新潟)
- 2005 個展(Keyギャラリー、東京)
- 2006 個展(ギャラリー6坪、新潟/同'08)
- 個展(aigallery、新潟/同'08)
『鳥男の堕落』
キャンバス、岩絵具、アクリル絵具、樹脂膠/210×273cm/2009年
- 峰岡正裕|Masahiro Mineoka
- 1980 山口県生まれ
- 2001 「Soft Ralix」(新宿アートギャラリー、東京)
- 2005 多摩美術大学絵画学科日本画専攻卒業
- 「七人で侍」(多摩美術大学絵画東棟ギャラリー、東京)
- 「THE STREAM JOINS THERE」
(神奈川県民ホールギャラリー) - 2006 第15回奨学生美術展(佐藤美術館、東京)
- 2007 METAII展に参加
- 個展「海底探検」(MAKII MASARU FINE ARTS、東京)
- 多摩美術大学大学院美術研究科絵画専攻日本画領域修了
- 2008 「仮想楽園」(MAKII MASARU FINE ARTS、東京)
『黙示録・落日I/II/III/IV』
白麻紙、岩絵具、箔、アートグルー/170×108cm/2009年
- 山本直彰|Naoaki Yamamoto
- 1950 神奈川県生まれ
- 1975 愛知県立芸術大学大学院修了
- 1989 第10回山種美術館賞展
- 1992 文化庁芸術家在外派遣研修員としてプラハに滞在('93まで)
- 1993 個展(プラハ国立ナープレスティック博物館、チェコ)
- 1997 創画会会員に推挙('06まで)
- 1998 META展に参加
- 2001 椿会展(資生堂ギャラリー/'05まで)
- 2002 第1回東山魁夷記念日経日本画大賞展入賞('04)
- 2004 超日本画宣言展(練馬区立美術館)
- 2007 「天にかけて誓うな」山本直彰展(日本橋高島屋)
- 2009 山本直彰展(平塚市美術館)
- 現在、武蔵野美術大学客員教授、和光大学非常勤講師
『Groove Line -inside18-』
パネルに和紙、顔料、アクリル、ラッカー塗料/182×364cm/2009年
- 吉田有紀|Yuki Yoshida
- 1971 神奈川県生まれ
- 1995 多摩美術大学日本画科卒業
- 1996 フィリップモリス・アートアワード'96最終審査展
- 第7回柏市文化フォーラム104大賞展でTAMON賞入選
- 1997 多摩美術大学大学院美術研究科修了
- 第8回関口芸術基金賞で優秀賞
- 1998 第3回昭和シェル石油現代美術賞入選
- 2000 第11回五島記念文化賞で美術新人賞を受賞し、渡英
('01まで) - 2005 METAII展に参加
- 2006 MOTアニュアル2006 No Border
− 「日本画」から/「日本画」へ(東京都現代美術館) - 個展 「Groove」(アートフロントギャラリー、東京)
- 2007 個展(ギャラリーヒラワタ、神奈川/同'09)
- 2009 101アートフェア東京(アキバスクエア、東京)