デザイン:鈴木敏志(JEYONE)

デザイン:鈴木敏志(JEYONE)

『胞衣 みしゃぐち』2006年/越後妻有アートトリエンナーレ2006/新潟県十日町(Photo by SHIGEO ANZAI)

『胞衣 みしゃぐち』2006年/越後妻有アートトリエンナーレ2006/
新潟県十日町(Photo by SHIGEO ANZAI)

『あり あか おう』2004年/金津創作の森(Photo by SHIGEO ANZAI)

『あり あか おう』2004年/金津創作の森
(Photo by SHIGEO ANZAI)

『あるてみすのいちじく』1994−2006年/豊田市美術館(Photo by SHIGEO ANZAI)

『あるてみすのいちじく』1994−2006年/豊田市美術館
(Photo by SHIGEO ANZAI)

『盆景』2003年/越後妻有アートトリエンナーレ2003/新潟県十日町(Photo by SHIGEO ANZAI)

『盆景』2003年/越後妻有アートトリエンナーレ2003/新潟県十日町
(Photo by SHIGEO ANZAI)

古郡弘展「からぎ、かりどの」

  • 2010年10月28日[木]→11月24日[水]

彫刻家・古郡弘(1947年埼玉生まれ)は、王立ブレラアカデミーに留学後、ミラノに留まって彫刻制作に取り組み、1984年に帰国しました。以降、一貫して日本各地で、泥、水、火、漆、植物、和紙、銅、羽など、古くから人間が用いてきた素材による大規模な彫刻作品を発表しています。2004年に中原悌二郎賞優秀賞を受賞した『あり あか おう』は、全長194メートルの沼を泥壁で包むように取り囲んだ作品。十日町市の願入集落に2006年に築かれた『胞衣 みしゃぐち』も、パティオ(中庭)や、客家土楼を連想させる回廊状の空間で、観る者を圧倒する切り立った外壁とは対照的に、内部の土壁は湿気を含み、苔むし、中心に胎内のような静かな瞑想空間が設けられています。「〈彫刻の内部に棲みつく〉ことを夢想している」と語る古郡の彫刻は、一見して、古代の墳墓や縄文住居、あるいは日本庭園における築山に似た姿をしています。建築と彫刻が交配したその偉容は、遥か昔からその場所に存在してきたかのようです。〈彫刻〉が発生した起源のイメージに留まりながら、山野で土を盛り、土地の人々と泥で壁を築く古郡弘。〈あらぶる〉彫刻は、現代社会が失ってしまった失われた自然への憧憬や畏怖を、私たちの記憶の古層から呼び覚まします。

  • 会場=東北芸術工科大学ギャラリー
  • 会期=2010年10月28日[木]→11月24日[水]
  • 開館時間=10:00―17:30(日曜・祝日休館)
  • 企画=東北芸術工科大学美術館大学センター
  • 企画協力=森繁哉、Rコモンズ
  • キュレーター=宮本武典(東北芸術工科大学講師・主任学芸員)

●Artist

古郡弘|Hiroshi Furugoori
1947年埼玉県生まれ。彫刻家。武蔵野美術大学造形学部美術学科彫刻専攻卒業。1977年にイタリアへ渡り、国立プレラアカデミー彫刻科を卒業後、1984年に帰国。主な個展に、佐賀町エキシビットスペース(1988年/東京)、水の国ミュージアム104°(1998年、2003年/島根)、金津創作の森(2004年/福井)、豊田市美術館(2006年/愛知)。主なグループ展に、『火の起源と神話―日中韓ニューアート』(1996年/埼玉県立近代美術館)、『越後妻有アートトリエンナーレ』(2000年、2003年、2006年/新潟)などがある。2005年に中原悌二郎賞優秀賞優秀賞受賞。著書に『INANNA―イナンナと三美神 原初(はじまり)と存在の現代美術 』(1993年/五柳叢書)がある 。2010年より東北芸術工科大学客員教授。

●Projects 『からぎ、かりどの』

『やまがたオルガン』

〈からぐ〉とは、池や沼などが干上がり、底があらわになっている状態を指す造語。〈かりどの〉とは、神社が修理の際、臨時に御神体を移し祀るための〈仮の御殿〉を意味します。東北芸術工科大学が建つ傾斜地には、かつて大学の背後にそびえる瀧山(りゅうざん)からの豊富な雪解け水が流れ込み、棚田が拓かれていました。本展のために古郡が制作した彫刻『からぎ、かりどの』は、宅地造成によって姿を変えた水脈や畔を彫刻化し、失われた景観を可視化することで、かつて〈端山信仰〉によって濃密に結びついていた山とムラの関係を再考します。

●Art works(からぎ、かりどの)

プランドローイングT(池)

プランドローイングT(池)

●Events 

アーティストトーク

  • 日時:2010年10月28日[木]17:45〜20:00(入場無料)
  • 出演:古郡弘、宮本武典(本展キュレーター)、他
  • 会場:東北芸術工科大学ギャラリー
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