建築・環境デザイン学科Department of Architecture and Environmental Design

[優秀賞]
添田はな|たむぎのぐらし~地域理解からつくる移住促進プラン~
福島県出身
志村直愛ゼミ

天童市田麦野地区において、地区の維持継承を目的とした移住者促進の方法を研究しています。田麦野地区は人口140人程の小さな集落で、地区の多くを占める自然資源などは住民の管理によって維持されていますが、人口減少や高齢化などから後継者が不足している現状にあります。本研究では地域住民の意思や、地区の価値観を明確にしながら、地域、行政が今後取り組むべきこと、また移住者受け入れの仕組みを提案します。



志村直愛 教授 評
本学で学科を超えて展開している地域を支えるサークル活動を通じ、慣れ親しんできた天童市田麦野地区で、少子高齢化、人口減少の時代下に於いて、集落の持続性を保っていくための移住者の受け入れをテーマに、その可能性を探った奥深い研究である。1年次から地縁血縁の全く無い地域に飛び込み、長年通いつめて地域の人々からの信頼を得ながら、しかしあくまでよそ者としての客観視を大切に冷静かつ熱意を持って地域の課題に取り組む姿勢は賞賛に値する。地方の集落で、外からの移住者を受け入れると言う極めて難しいテーマを扱いながら、足繁く現地に通い詰めての丁寧なヒアリングや現地踏査、行政と住民との間に立っての現状分析と提案によって、地域に寄り添い地域に応える本学ならではの命題を、理想的な形で追い求め、極めて説得力のある実りを生み出すことができた。本集落のみならず、地方で同じ悩みを抱える地域への汎用性を持った提案にもなっている。