映像学科Department of Film and Media

[優秀賞]
佐藤杏奈|ほしひつじ
新潟県出身
岩井天志ゼミ
アニメーション

ストップモーションアニメーションとゾートロープを掛け合わせたアニメーション作品。子どもから大人まで、絵本や童話が好きな人に楽しんでもらいたい。



岩井天志 教授 評
「ほしひつじ」は手でものをつくる喜びを詰め込んだアニメーションである。7分40秒のこの作品にはなんと人形アニメーション、ゾートロープ、砂絵アニメーションの3つの手法が盛り込まれている。大変な作業量である。思えば佐藤杏奈は1年の時からよく手を動かしていた。スタジオに籠って羊毛フェルトや粘土でひたすら人形やセットをつくってはコマ撮りをした。興味を持ったものには迷わずチャレンジし、悩むより先に手を動かし続けた。そんな彼女のものづくりの才能が花開いたのは3年の前期につくったゾートロープの作品だった。巨大な立体の回転装置をつくり、カメラを回して、「動くかな.・・どうかな・・」とドキドキしながら実験をしている姿は、人間が初めて映画やアニメーションをつくったときの喜びとオーバーラップするものだった。そこからいくつかの試作やゾートロープ作家のアトリエを訪問しながら研究を重ね本作をつくりあげた。
子供に向けてつくられたこの作品。読み聞かせるような彼女のナレーションもあたたかく秀逸である。たくさんの子供たちに観てもらいたい。
卒業後は立体アニメーションの制作チームに入りいよいよプロの道を歩むことになる。
素晴らしいクリエイターになると信じている。