大学院Graduate School

[優秀賞]
上坂涼乃|PLAY! KITCHEN -From tools to workshops-
千葉県出身
坂井直樹ゼミ



酒井聡 デザイン工学専攻長 評

「PLAY!KITCHEN」と名付けられた作品群は、食を通して誰もが創作者となる様々な試行である。その試行には大きく分けて2種類の試みとなっている。1つは食材を創作の素材に用いるための道具群で、彫刻匙と名付けられた羊羹を彫るための彫刻刀、生地を伸ばす際に定規の模様を残すめん棒など様々あり、それらはまるで以前からあった一般的な道具のように展示されている。これらは道具によって我々の創作意欲を刺激する。次に幾何学形態をしたクッキーで、組み合わせることで様々な造形を創作するもの。こちらは食材がそのまま造形となることで、年齢問わず何気ない創作を楽しむことができる。
ともすると「食べ物で遊んではいけません」と言われてしまいそうだが、我々は日々の食事によって形作られ、そのことが創造力の源となっていたことに気付かされる研究である。その示唆を高く評価し優秀賞とする。