芸工大卒展とは?

心の底からわき上がる「描きたい」という気持ち。自分の心と対峙して浮かび上がったのは力強い自然の、心の原風景でした。

金山友美(美術科洋画コース4年)

美術科洋画コース4年の金山友美さんは北海道出身。6m50cmもの大作となった卒業制作は生命の躍動感にあふれ、キャンバスの中には様々な動物や自然の要素を探し出すことができます。「授業では民族学的アプローチで、原始的で土着的な山形の姿に触れました。豊かな自然に囲まれた山形で絵画を学んだことは、自分の根源的な部分を見つめ直すことにもつながりました」と話す金山さん。入学当初はパステル調の色合いで描くことが多かったといいますが、基礎を学び終えた2年の最期に変化が訪れました。好きな絵を描いていい、と言われた瞬間これまでに感じたことがないほど強く「描きたい」という想いがあふれたそうです。「心の底から、衝動がわき上がるような感じでした。3年で受けたドローイングの授業は、そんな自分の心と向き合う良い時間となったと思います」。ドローイングで培った本能的な表現は、濃厚な色と形になって卒業制作にも反映されています。自分と向き合う時間が創造力となり、より自然体で楽に描けるようになったという金山さん。山形で暮らす現在と根源を見つめ、浮かび上がってきた心の原風景が作品となりました。「自然の力強さや息吹を感じてもらえたら」と語り、作品に情熱をかたむけています。