卒業生・修了生たちへの「祝!卒業」サプライズ動画製作の舞台裏

レポート

新型コロナウィルス感染症の拡大防止のため、多くの大学が公的な式典の中止を決定するなか、本学も2020年3月20日に開催予定だった卒業式を10月に延期することを決めました。卒業式の延期は、9年前の東日本大震災以来、2度目になります。

教職員と学生以外の大学構内への出入りが制限され、人影もまばらな中、中山ダイスケ学長の発案で、卒業生に向けたサプライズ動画を製作。卒業式を予定していた3月20日、開式時刻の午前10時に合わせて本学公式ホームページで公開しました。

今回はこの舞台裏をレポートします。

「祝!卒業」と題されたこのサプライズ動画は、企画会議から各スタッフの手配、撮影・編集、公開準備に至るまで、全ての行程が学生には秘密裏に(こっそりと)行われました。撮影チームは、映像学科の教員と非常勤講師、副手、卒業生(2014年度、2015年度、2017年度)で構成され、3月17・18日の2日間で撮影。遠方や出張先にいる教員からも動画データも送ってもらい、20日の公開直前まで編集作業が行われました。

監修を務めた、映像学科の今村直樹(いまむら・なおき)教授。これまでも数多くのTV-CMを企画・演出。映像だけでなく、モノや地域のブランディングなども行っている。

中山学長にこのメッセージ動画を製作した動機を聞きました。
「卒業式は秋に延期となりましたが、区切りの儀式がないまま春を迎える卒業生を思い、山形や大学に来ることができない卒業生に向けた山形からのささやかなプレゼントとして、堅苦しくなく、心温まる映像をプレゼントしたいという思いがありました」

撮影にあたっては、重複しやすい言葉(おめでとう、などの言葉)を使わずに、卒業生へのお祝いの気持ちを表現すること、「祝」の文字を画面のどこかに入れることなど、映像製作のプロならではの条件付けがなされました。このこともあって、教員たちの「卒業生たちを笑顔で送り出したい」という思いが、映像いっぱいに感じられるものになりました。

美術科・彫刻コースの吉賀伸(よしか・しん)准教授は、粘土で「祝」の文字を制作。
グラフィックデザイン学科のアイハラケンジ准教授は、学生が普段制作で使用している演習室のPC用モニターを使い「祝」を表現。
 
3チームに分かれた撮影隊がカメラを回し続け、2日間で教職員合わせて約160名を撮影。本学より巣立つ卒業生たちに、4月から社会人として元気に活躍してほしいという教職員の思い・願いが結実した2日間。
本学の正面広場で教職員が「祝」の文字を人文字で表現。まだまだ寒い3月の早朝。教職員たちの精一杯の笑顔とクラップをドローンで撮影。

本動画は公開から2日間で11,000回以上再生され、令和元年度の卒業生や保護者の皆さまの他、過年度の卒業生、一般の方々からも「あたたかな動画だった」「涙があふれた」「愛を感じる」などのご感想を多数お寄せいただきました。ごく短期間での撮影・編集だったからこそ、教職員のストレートな思いを伝えることができたのかもしれません。

卒業式前日の3月19日、卒業していく学生たちに向けて一斉配信した、中山ダイスケ学長からのメッセージを最後にご紹介します。

2019年度 学部&大学院の卒業生・修了生のみなさん。卒業・修了おめでとうございます。

コロナウィルスの騒動によって、本日3月20日に予定されていた卒業・修了式が延期されたので、代わりに教職員のみんなでお祝いメッセージの動画をつくりました。
賑わうはずだった3月のキャンパスは静かで寂しいのですが、ここに来ることができない君たちの分も楽しむかのように、みんなでワイワイと笑いながら撮ってみました。ささやかなプレゼントですが、君たちの思い出の山形の地より、心を込めてお届けします。

なお、このわずか2日半で臨んだ動画製作には、監修役の今村教授、多くの先生方、映像学科の学生や卒業生、職員のみなさんのご協力をいただきました。みなさんありがとう。

山形からのエールが、4月から一歩踏み出す君たちの背中を押せますように。
秋の卒業式で、みなさんに再会できることを楽しみにしています。

10月3日の卒業式で、社会人として少したくましくなったみなさんとの再会を楽しみにしています。

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東北芸術工科大学 広報担当
東北芸術工科大学 広報担当

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