グラフィックデザイン学科Department of Graphic Design

[最優秀賞]
大沢明日香|心音
長野県出身 
アイハラケンジゼミ

「言葉は心の中で生きている」私はそう思います。人は言葉を道具のように考えているけれど、いつの間にか心に住みついていてたくさんの感情を生み出し、心の模様を変えている。気づかないうちに心の中で生きていて、あなたと共に成長しているのかもしれません。そんな、言葉が生きている姿を表現したインスタレーション作品です。


アイハラ ケンジ 准教授 評
大沢さんの卒業制作は「雨」を表現したいという素朴な気持ちがきっかけでした。なぜ雨に心を惹かれるのか? その答えは「不確かさ」「揺らぎ」を持つものへの憧憬という気づきに繋がります。その気づきは、胎児とそれを優しく包む羊水というモチーフに昇華され、音と映像、言葉を駆使した空間作品として結実しました。まだまだ荒削りな表現ですが、ごく個人的な気持ちを根源的なテーマへ昇華させたプロセス、平面を超え空間を構成する作品に挑戦した姿勢が評価され、最優秀賞に選出されました。卒業後は東京の保育園で働きます。この卒業制作での経験は、子どもという不確かで揺らぎのある存在との関係性のなかで十二分に発揮されることでしょう。