工作の時間
9月になった。夏の後ろ姿が見えるようだ。わたしはこの夏、どこに出掛けることもなく、ひたすら机に向かっていた。論文を直さなくてはならず、ずっとそれに取り組んでいた。直した論文をなんとか提出し、気がついたら9月である。
で、少しでも夏休みらしいことをしようじゃないかと思って、わたしは工作をすることにした。
これは2年前、骨董市で見つけた古いラジオのスピーカーの筐体。確か2,000円で買ったと思う。今回、これを利用して、テルミン用のスピーカーを新たに作ろうと思い立ったのだ。この古めかしい佇まい!見るからにテルミン向きのデザインの筐体ではないか!と思って購入したのだが、そう考えているだけで2年も経ってしまっていた。
構想2年!
今回の工作は、そんなに難しいものではない。必要なのは、やる気と材料のためのいささかの資金。新しいスピーカーとバッフル用の木の板などを買い揃えて、いざ工作開始。
まず、古いスピーカーを筐体から取り外す。レトロな埃で鼻水が止まらなくなった。次に、型を取って、スピーカーを筐体に固定するためのバッフルを糸ノコで切り出す。グニャグニャの切り口はご愛嬌。スピーカーとジャックを半田付けで繋いで、固定。そして完成!
① 古いスピーカーを外す ② ボール紙で型を取る
③ 糸ノコでバッフルを切り出す ④ 取り付け
文章にすると非常に簡単・お手軽な作業のようだが、木ネジを買いに出掛けたり、あれやこれやで完成まで3日かかった。わたしは文系なのである。なので、音がちゃんと出るまで安心できない。爆音で吹っ飛んだり、炎が出たりしては困るから。
巨大スピーカーの爆音で吹き飛んだのは映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の主人公マーティーだが、わたしは大音響の衝撃波で吹き飛ばされることもなく、無事に完成!よかった。構想2年!製作3日のスピーカーである。
「パワー・オブ・ラヴ」日本盤
そんなわけで今回は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の主題歌「パワー・オブ・ラヴ(The Power of Love)」を聴きたいな、と思うのだ。歌うのはヒューイ・ルイス・アンド・ザ・ニュース(Huey Lewis and the News)で、映画と同じく1985年に出た曲。映画を盛り上げてくれる名曲である。
The power of love is a curious thing
愛の力って不思議なものだMake a one man weep, another man sing
男を泣かせたり、歌わせたりChange a hawk to a little white dove
鷹だって白いちっちゃな鳩に変えちゃうMore than a feeling; that’s the power of love
ただの気分以上のもの それが愛の力
Tougher than diamonds, rich like cream
ダイヤモンドよりタフで クリームみたいにリッチStronger and harder than a bad girl’s dream
悪い女の子が見る夢よりも強烈で手ごわいMake a bad one good, mmm, make a wrong one right
悪いことも、間違いも正しちゃうPower of love’d keep you home at night
愛の力はちゃんと家でおねんねさせてくれるもの
You don’t need money, don’t take fame
金は不要 名声も関係ないDon’t need no credit card to ride this train
この列車に乗るのにクレジットカードも要らないIt’s strong and it’s sudden and it’s cruel sometimes
強烈で唐突でときに残酷でBut it might just save your life
けれど それが君の人生を救うかもしれないThat’s the power of love
それが愛の力That’s the power of love
愛の力
First time you feel it, it might make you sad
初めてそれを感じたとき 悲しくなるかもNext time you feel it, it might, mmm, make you mad
次に感じるときには 腹が立つかもBut you’ll be glad, baby, when you’ve found
だけど よかったと思うはず この世界を回してるのがThat’s the power, makes the world go ‘round
愛の力ってわかったらね
And it don’t take money, don’t take fame
金なんか要らない 名声も不要Don’t need no credit card to ride this train
この列車に乗るのにクレジットカードも要らないIt’s strong and it’s sudden and it’s cruel sometimes
強烈で唐突でときに残酷でBut it might just save your life
けれど それが君の人生を救うかもしれない
They say that all in love is fair
愛の世界ではすべてがフェアだって言われてるYeah, but you don’t care
そうだ だけど君にはそんなこと関係ないBut you’ll know what to do (You’ll know what to do)
けど どうしたらいいのか分かるよWhen it gets hold of you
それに捕まってしまったらねAnd with a little help from above
天からのほんの少しの力を借りてYou’ll feel the power of love
愛の力が感じられるよFeel the power of love
愛の力がねCan you feel it?
わかる?
And it don’t take money, don’t take fame
金なんか要らない 名声も不要Don’t need no credit card to ride this train
この列車に乗るのにクレジットカードも要らないTougher than diamonds and stronger than steel
ダイヤモンドよりタフで 鋼鉄より強いYou won’t feel nothin’ ‘til you feel
これを感じるまでは、何も感じたことにはならないよYou feel the power, just feel the power of love
愛の力を感じてみなよThat’s the power, that’s the power of love
それがパワー・オブ・ラヴYou feel the power of love
感じるだろ パワー・オブ・ラヴ
愛は、男を泣かせたり歌わせたりできる力があるということだ。愛の力によって、腹が立ったりすることがある、とも歌われている。けれど何事も、憎しみの力よりも、愛の力が原動力であるべきだよな、と思うのである。いや待てよ、愛がねじれたりこじれたりして憎しみに変わったりもするとしたら、愛も憎しみも元は同じものなのか?とも思ったり、思わなかったり・・・。愛とは、奥が深いものには違いない。
芸工祭は9月12・13日
さて、今回作ったスピーカーで奏でるテルミンとピアノの演奏会があります。そう、前回から宣伝している芸工祭はもう間もなくです。
演奏は9月13日(日曜)の午前10時30分~。場所は大学の能舞台です。怪しげな音を体感してください。わたしの新ユニットThe Teachers (Jump the Gun)が今、絶賛練習中。ちなみに “jump the gun” とは「見切り発車」の意味。
今年も販売します
そして、おみやげに「かんがえるジュークボックス」の新しいステッカーもどうぞ買ってください。その他、これまでのグッズの売れ残り、もとい、保管していた貴重なデッドストック品も購入できます。
それでは、芸工祭で会いましょう。そして、次の1曲までごきげんよう。
Love and Mercy
(文・写真:亀山博之)
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#かんがえるジュークボックス(第1回~第48回)
亀山博之(かめやま・ひろゆき)
1979年山形県生まれ。東北大学国際文化研究科博士課程後期単位取得満期退学。修士(国際文化)。専門は英語教育、19世紀アメリカ文学およびアメリカ文学思想史。
著書に『Companion to English Communication』(2021年)ほか、論文に「エマソンとヒッピーとの共振点―反権威主義と信仰」『ヒッピー世代の先覚者たち』(中山悟視編、2019年)、「『自然』と『人間』へのエマソンの対位法的視点についての考察」(2023年)など。日本ソロー学会第1回新人賞受賞(2021年)。
趣味はピアノ、ジョギング、レコード収集。尊敬する人はJ.S.バッハ。
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