第39回 町のおしゃれを一人占め!~カーディガンズの巻|かんがえるジュークボックス/亀山博之

コラム

来日!カーディガンズ

 秋は一瞬だった。慌ててクルマのタイヤ交換をした。エビランチの週はいつのことだったか・・・11月、The B-52’sのロック・ロブスターへのオマージュ・ランチセットを学食で食べていただいた皆さま、どうもありがとうございました。

亀山准教授研究室のぬいぐるみ
前回登場のロブスターはタイプライター棚に

 で、一瞬で去っていったこの秋、何かしたっけか?と振り返ってみて、あ!スウェディッシュ・ポップ・カーニヴァルに行ったんだった!ということを思い出した。というわけで、今回はスウェーデンのカーディガンズ(The Cardigans)を聴きましょう。

亀山准教授が高校時代に買って聴いていたCD
わたしが高校時代に買って聴いていたCD

 驚いたのは、わたしが90年代、高校生だった頃にリアルタイムで聴いていたこのカーディガンズが10月に来日したこと。さらに驚いたのは、その来日を知らせる広告のキャッチフレーズに「なつかしの90年代スウェディッシュ・ポップ」と書かれていたこと。わたしにしたら昨日のことのような90年代が、いまや「なつかしの」である。Time Flies. 時は残酷なものですね。心は高校生の頃のままなのだけど、もはやわたしも「なつかしの」人間か・・・。そんな驚きと哀しみが入り混じったモヤモヤ感で胸いっぱいであった。

亀山准教授が買っていたバンドスコアなど
当時買っていたバンドスコアなどなど

 ともあれ、当時のCDの帯には「町のおしゃれを一人占め」と書いてあって、スウェーデンってオシャレなんだな、と田舎の高校生(わたし)は素直に思ったものである。そしてこの秋、カーディガンズ来日の知らせ!慌ててチケットを取り、日帰りで観てきたのである。

忠実なファン

 会場は有明。

スウェディッシュ・ポップ・カーニヴァル会場にて
会場にて

 開演まで時間がしばらくあったので、近くのショッピングセンターをブラブラしていたところ、首からVIPというカードをぶら下げたスウェディッシュ風味全開の人がおり、声をかけてみたところ、その人はカーディガンズのボーカル・ニーナ(Nina)の親友(その名はリナ)だという。で、おしゃべりして親しくなり、「Ninaに我がバンド・夕ヶ谷姉妹のマステとステッカーをあげてちょうだい」とお願いをした。これで夕ヶ谷姉妹がスウェーデン・デビューを果たしたこととなった。よかった。

 閑話休題。

 この日はスウェディッシュ・ポップ・カーニヴァルなので、カーディガンズのほか、スウェーデンからメイヤ(Meja)とクラウドベリー・ジャム(Cloudberry Jam)も出演。やはり、90年代に想いを馳せる回というのが主旨らしい。が、演奏は現役バリバリで素晴らしかった。

カーディガンズのグッズのTシャツ
Tシャツ

 90年代からカーディガンズの忠実なファンであるわたしは、グッズのTシャツも購入。その場で着用の上、彼らのライブを満喫したのであった。

カーニヴァル

 カーディガンズのヒット曲は“Lovefool”や“For What It’s Worth”などなど、たくさんあるのだが(個人的には“Daddy’s Car”が一番好きである)、やっぱり1995年リリースの“Carnival”が絶対的な名刺代わり大ヒットナンバーといえよう。

カーディガンズ「カーニヴァル」英国盤
カーディガンズ「カーニヴァル」英国盤

 おしゃれなサウンド、おしゃれな歌声、おしゃれを一人占めしてください。

(Chorus)

I will never know Cause you will never show
わからないわ、だって、あなたが教えてくれないんだもの

Come on and love me now Come on and love me now
ねえ、今すぐ愛して

I will never know Cause you will never show
わからないわ、だって、あなたが教えてくれないんだもの

Come on and love me now Come on and love me now
ねえ、今すぐ愛して

Come on and love me now
ねえ、今すぐ愛して

Carnival
カーニヴァルが

Came by my town today
今日、町にやってきた

Bright lights from giant wheels
大きな車輪の眩しい光が

Fall on the alleyways
道に降りかかる

And I’m here by my door
わたしは玄関で

Waiting for you
あなたを待ってる

 

(Chorus)


I hear sounds of lovers
恋人たちの声が聞こえる

Barrel organs, mothers
バレルオルガンの音色に母親たちの声も

I would like to take you down there just
あなたをそこまで連れてきたいの

To make you mine
わたしのものになってほしい

In a merry-go-round
メリーゴーラウンドで


(Chorus)

 シンプルでオシャレ。オシャレはシンプル。そういうことなのかしら?カーニヴァルってのは、移動式遊園地のことですね。だからもし、わたしがカーディガンズの一員で、この曲を書いていたら、タイトルは「植木市」とかになっていたかしら?あれれ、おしゃれが半減したかしら?

 それでは、次の1曲までごきげんよう。
 Love and Mercy

(文・写真:亀山博之)

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亀山博之(かめやま・ひろゆき)
亀山博之(かめやま・ひろゆき)

1979年山形県生まれ。東北大学国際文化研究科博士課程後期単位取得満期退学。修士(国際文化)。専門は英語教育、19世紀アメリカ文学およびアメリカ文学思想史。

著書に『Companion to English Communication』(2021年)ほか、論文に「エマソンとヒッピーとの共振点―反権威主義と信仰」『ヒッピー世代の先覚者たち』(中山悟視編、2019年)、「『自然』と『人間』へのエマソンの対位法的視点についての考察」(2023年)など。日本ソロー学会第1回新人賞受賞(2021年)。

趣味はピアノ、ジョギング、レコード収集。尊敬する人はJ.S.バッハ。