美術科 総合美術コースDepartment of Fine Arts Arts and Communication

[優秀賞]
薄井萌々花|みんなでつくるフラワーコロニー
茨城県出身
瀬戸けいたゼミ
トレーシングペーパー、アクリル絵の具

花壇に咲く花のように、お互いを邪魔することなく共存するフラワーコロニーを、ワークショップに参加したみんなで作り上げる、ワークショップと作品が融合した卒業制作です。花の一つ一つには名前がつけられていて、参加者一人一人の想いや願いが、大きな一つのフラワーコロニーを形成しています。あなたなら、このフラワーコロニーに、どのような花を咲かせますか。


瀬戸けいた 准教授 評
花々が持つ人々をにこやかにする力。花屋に生まれた作者は、それを小さな頃から常に身近に感じてきました。そしてその「花々の力」を、アートを活用してより多くの人々と広げたい。そんな思いが本作品の原点になっています。水族館との連携事業など、実践的な学外活動を経て、作者はその思いを、社会に向けたアートプログラムとしてデザインしはじめました。紙で花を作る。それは誰にでもできる簡単な作業です。この「誰にでもできる」ことを、人々と広く共有できる「大きな喜び」に変える力。それが、私たち総合美術コースが持っている「魔法のような力」です。材料となる紙を、自ら色彩豊かに染め、作りながら、話しながら、参加者に寄り添って、それぞれの個性や感性を対話の中からひき出していく。作者は、そんな「アートコミュニケーション」の技法を通して、人々の創造性がひしめき合う、コロニーを作り続けてきました。花の数だけ笑顔が生まれるこの「創造の場」は、これからもずっと広がり続けていくでしょう。