大学院Graduate School
［優秀賞］
青山夢（芸術文化専攻 絵画研究領域）｜Spirit of hope | 地球の開
茨城県出身
三瀬夏之介ゼミ
3200×7500mm
現代生活において、絶対的な自然の破壊力によって、世界は混迷しています。
制限され生きづらさを抱える中で、境界なく入り混じりつながる獣に強い可能性を感じ、様々な動物の皮膚を結合させ、破壊と治癒の循環を死者の行方を見守る番犬の背中に描き置きました。
深井聡一郎 芸術文化専攻長 評
もともと誰よりもアトリエで描き続けていた青山は、修士1年の山形ビエンナーレのリサーチにおいて山形の根底にある部分と触れ合った事により、それまでのアングラでシュールな作品に人類学的アプローチが加わることになった。本作は裏側に2億5千年後の地図が合皮を中心に縫い合わされており、ケルベロスの表皮となっている。表側は幻獣の内面となり、青山がリサーチしてきた山形の表象たちが描かれている。ただ密に描かれた絵でなくなったそれは、2年間彼女が本学のプログラムを真摯に受け止め、自分のものとした成果と言っていいだろう。何を学びここを巣立っていくのか、それは個々によって異なるが、青山は本学大学院の学びの理想を体現している。今後も骨太で持続力のある作家であり続けて欲しい。