[優秀賞]
亀山晴香(芸術文化専攻 絵画研究領域)|Beautiful town:PONKYO
宮城県出身
鴻崎正武ゼミ
1940×4860×30mm ターポリン印刷,Affinity photo,アクリル
本作品は小さなジオラマを撮影し加工・超拡大印刷をした上から更に描画を施す、誇張表現的な手法を基に作られています。また今回はそれらを基に1つの街を表現しました。無理矢理にでもなりたい姿に近づこうとするもの、ありのままの姿でいるもの全てが存在することでこの街は出来上がっています。
三瀬夏之介 研究科長 評
亀山の作品におけるSNSのフォーマットや画像加工アプリを使用したモチーフの変形や変身は、自らが老若男女から深く愛され続けたいという個人的な欲望から始まっている。愛らしい姿になるために、目は必要以上に大きくなり、身体の痩身加工にツノが生え、デコられ続けた無残な自画像は笑いを誘う。本作は虚実ない交ぜな画像に囲まれた我々の歪んだ欲望を肯定しつつも、強く批評する精神も宿した野心作である。観客を作品内に描かれたQRコードから自作の加工アプリへと飛ばし、欲望の画像は会期中にもSNS上へと広がる。インスタレーション空間として展示室でのプレゼンテーションまでを質の高いレベルで達成できているので優秀賞に値すると考えます。