文芸学科Department of Literary Arts

ROLLING UP DATE CONCEPT ART
菅野学
山形県出身 
玉井建也ゼミ

 この作品はゲーム制作用に作ったコンセプトアートをまとめたイラスト集だ。デザイン、アイデア、雰囲気などを視覚化して伝えることを主な目的としている。
 すでに定番となっている中世の異世界ファンタジーや派生したスチームパンクとは異なるユニークな世界を描くことを目的として制作した。また、作品全体を通して、ギャップや異物感を演出することをテーマに描いている。
 ファンタジーを基に世界設定を考え、既存のファンタジー作品との差別化を図るために、サイエンスフィクション要素を強く取り入れた。また、既存のいわゆるサイエンスファンタジー作品と被らないように、あくまでファンタジー世界を骨組みにし、そこに起こりえるであろう科学的な発展を想像して肉付けした。描きたかったのは、ファンタジー世界の科学が発展した未来である。
 表現の方法として、ファンタジーの設定をサイエンスフィクションに置き換える、もしくはサイエンスフィクションの設定をファンタジーに置き換える手段をとった。そういった意図はデザイン上にも反映されている。例えば、ファンタジー風のシルエットの中に、サイエンスフィクション的な意匠を落とし込む、あるいはその逆等だ。一方で、あまりにも奇抜すぎるデザインにならないよう注意しながら、リアリティや説得力のあるデザインを目指した。
 また、ギャップを描くための手段として銃やドローンなど軍事要素を世界背景として取り入れている。しかし、ただ単純に剣と魔法のファンタジーの剣を銃に置き換えただけでは、ビジュアル的にも設定的にも面白くない。銃と同じぐらいに剣も発達するだろうと思い、一部剣をメインにしたビジュアルも取り入れている。
 また、制作にあたってトレーディングカードゲームのゲームデザインを参考にしている。キャラクターを赤、青、緑、白、黄、黒6つの勢力に分け、それぞれの思想や文化に合うようにキャラクターを創造した。色の概念はビジュアル的な面が目立つが、その色の持つ雰囲気や性質的な面での設定も大きい。