[優秀賞]
松橋慎之介|世代を超えて、お互いに助け合える仕組みづくり
秋田県出身
檀上祐樹ゼミ
檀上 祐樹 准教授 評
厚生労働省は2025年を目処に、助けあい、支え合いの社会の構築(地域包括ケアシステム・生活支援体制整備)の実現を目指している。多くの自治体、社会福祉協議会が、この社会の実現に向けたプロセスで困難を抱えている。なぜなら困りごとを言える関係性が住民にないことが多く、助ける側の人材も一握りしか発掘できないからだ。松橋の研究は、こういった各地域の実際の動きや課題の評価・反省から始まった。その評価・反省に山形県金山町中田地区の人々の生活を掛け合わせ、この地にあったプロセスをデザインできたことは素晴らしい。また困りごとにアクセスするコミュニティを「つくる」のではなく、既にあるコミュニティの質を、「困りごとを出しあえる」「助けることができる」という質に変えるという視点は、社会に示唆できる視点だ。住民の動きと気持ちに少しずつダイナミズムを加えていく松橋の寄り添い方は、我々も勉強になった。優秀賞おめでとう。