DEPARTMENT OF INFORMATIQUE: FUTURE DESIGN | IMAGE PLANNING「映像計画コース」

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映像計画コース

学生×教授対談 真島一平(4年)×遠藤洋一 教授

遠藤
今回の卒展では「重なる先に見えたもの」という意味が統一テーマで作られていて、そのテーマとデザインやキービジュアル(メインとなる写真や画像)との関係性みたいなものが一番問題かなあと思いますけど。
真島
「重なる先」というので最初に考えたのが「道しるべ」。映像計画での大学生活4年間で学んできたことと、自分たちが22〜23年間生きてきたこと、そういうすべての経験があって見えてきたものみたいな。今、一番大きな変換期に、自分たちなりに見えてきたものを映像という形にしていけたらと思っています。現在までみんなバラバラの環境で生きてきて、映像計画という場で一つになって、さらにみんなの想いが映像で重なって、そこからまた今出ていこうとする時に何が見せていけるかというのがこの「重なる先に見えたもの」につながってきているんだと思います。
遠藤
今の真島くんのは話自体がビジュアル的だね。今回はそういうものを含めて映像コース全体のメイン映像を作る予定はある? 例えば「重なる先に見えたもの」というテーマを具体的に映像やイメージビデオで示したり。
真島
時間があれば作るんですけど・・・(笑)
遠藤
いや、せっかくさ、ビジュアル的な言葉じゃない?ポスターもすごく誘うもんがあるって言うか。そんなに長いものは必要じゃないと思うけど、ぜひ、なんか作ってみたらいいと思うんだけど・・・ちょっと時間的に余裕がないか(笑)
真島
このポスター自体が16人の道を重ねて作ったのがあるので、DVDでどれか一つに選ばれて・・・
遠藤
要するにDVDのインデックスとか選択バーの中にデザインとして取り込まれるって言うことね?
真島
そういう風にできないかなという話は出ています。
遠藤
当初はみんなの作品を統一する話だったじゃない?それがなくなって今はまだ全体の方向性は出てないんだ。
真島
映像計画は一般の方には「映像の何だろう?」と想像しがたい部分があります。まず自分たちがどういうことをやってきて、どんな過程を経て映像という形にしているのかを見てもらいたいと思う。当初から考えていた16人全員の作品をパッと見て分かってもらえるような。16台のプロジェクターじゃないですけど、会場全体がつながっているようなものをできたらいいかなって思います。
遠藤
あとは、せっかく来てくださる方に対して何か考えてる所はある?
真島
そうですね、いままではとりあえず上映して勝手に見てくださいって感じがあったんですけれど、来てくださった方が、「自分で選んでみにいく」「これはみてみたい」って思っていただけるようにどんどん訴えかけたい。
遠藤
そうだね、映像計画で作る映像作品が自分たちの考えを訴えるものを作るってよりは、コミニュケーションでいかにメッセージが伝わるか、または感じてもらえるかかな。だから見てもらわないとコミュニケーションが止まっちゃうってことだと思うの。だから見る気にさせる仕掛けは非常に必要だと思う。
真島
今回の16人の作品も映画とかドラマが多い。でもこの映像計画でやっているのは、CM的に、この思いを伝えるためにどうやって映像をやっつけていくかってことから始まっています。
遠藤
その熱意っていうかテンションが出てくるといいと思うんだよね。もう12月だけど、足並みとしては完成に近い?
真島
もともと、16人は仲がいいメンバーで、進んでない人は進んでない人どうしでいい空気感でケツをたたき合ってるっていうところがあるんです。なんだかんだどっかで支えてるところがあるんですよ、そういった中で最終的に展示という形にはちゃんとできるんじゃないかと思う。
遠藤
卒業制作は個人制作だと思うんだけど、実際は、軸になる制作を中心に何人かが協力しあいながつくっていっているのが現状だよね。ひとりでカメラをもってしこしこ編集して作ってるわけじゃなくて、そこではグループの力を結集して作るというのが感じられてる。
真島
今までグループでやってきて、今回の卒業制作も結局はひとりでできないから、いろんなところで助けてもらって制作している部分があろます。でも今まで集団でやってきた分、個人になったときに、どれだけ自分から動けるかっていうこととか、周りの人が補ってくれていた部分を自分でカバーしないといけないのかなどの視点で、制作するモチベーションを自分で上げていけてるっていうのはあります。
遠藤
形的には同じに見えるけど責任の所在や免責が中心になって、ずいぶん違うわけだ。個人個人の制作の「気持ち」が、実際に全体の展示企画に出ているのかなってそれぞれ思うところもあるだろうし。全体の士気っていうのは、ぜひみんなに見てもらいたい。来た人達全員に見てもらえるぐらいのやつがつくりたいっていう気持ちに繋がっていると思います。それだけこっちの気持ちが大きくないと向こうに届かないって部分があるとおもう。怠慢な部分もあるんですけど気持ちを維持し続けて企画にあたっていられてると思う。
遠藤
がんばってください・・・(笑)映像を4年間学んできたけれど、文字が次に写真になって、次に映像になって、その後高精細で、すごいきれいな映像がネットワークに流せるようになって、いままで平面的な文字のグラフィック情報が、どんどん映像の方に変わっていく。そういう意味で限りなく映像によるコミュニケーションの可能性が広がっていると思う。今までの映像というととかく映画とかコマーシャルなど非常に限られたものでしかないと思いがちなんだけど、実際は社会の底辺までいろんな部分で映像っていうのが変わってきてる。重要なメッセージのツールとして使うのと、ほんとにそれまであまり映像なんかと関係なかった人たちさえも自ら撮影して自ら映像を編集して、それで言ってみればインターネットで世界に発信している世の中になった。真島君も含めて今回の4年生はどういうスタンスで関わっていこうとしているのかな。
真島
今回の四期生16人の映像としてひとくくりにできるものではあります。でも同じ映像とはいえるものの自分たちの表現を探っているところにみんな飛び込んでると思うんです。この世の中って全部映像で全部できていると思うんです。そこに対象をどういった解釈で撮るかで全部変わってくると思います。マスメディアの表現を映像という手段を使って、自分が選んだ職業や企業をCMという形にするうえで、自分にあった形を探っているんじゃないかなあと思う。全部映像ですけど全部違う。ひとつのものに対する気持ちのもちかただけ映像も変わってくると思う。
遠藤
もしかしたら映像も、頭の中で考える自分のイメージを含めて、それもアウトプットの一つかもしれないけど、我々が学んできたことっていうのは映像化する前の、プランニングから切磋琢磨してきたっていうことになるわけだ。もしかしたらその中にはアウトプットを映像じゃないジャンルにする人もいるかもしれないけど、基本的にはアウトプットする前のプランニングの頭の使い方なり発想が、社会にでて役に立つ気がします。これから社会にでて切磋琢磨するなかで、ますます磨かれていく必要がある気がします。
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