安心して楽しめる動画を、日本中のユーザーへ届けたい/TikTok Japan・卒業生 秋山拓也

インタビュー 2021.04.15|

世界中で幅広い世代に人気のショートムービープラットフォーム「TikTok」。ユーザーに安心して楽しんでもらえるよう、日々投稿されるコンテンツの審査業務を担当する秋山拓也(あきやま・たくや)さんに、このお仕事で必要とされているもの、そして卒業後も生かされている企画構想学科での学びについてお話をお聞きしました。

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世間の流れの最先端で仕事ができる面白さ

2019年3月に、それまで働いていた広告制作会社からTikTok Japanへ転職した秋山さん。現在は新型コロナの影響によりテレワークを行う日々が続いていますが、オンラインを活用してスタッフとコミュニケーションを図るなどしながら、今日も「TikTok」の動画を多くのユーザーに届けています。

――はじめに、秋山さんのお仕事について教えてください

秋山:メインの仕事は、「TikTok」の動画審査になります。これは他のプラットフォームにもある部署なんですが、簡単に言うとTikTokやインターネットのパトロールを行う部署ですね。悪質なコンテンツからユーザーを守ることが目的で、報告やレポートが上がった時は、ガイドラインに準じて対処・対応しています。ユーザーとは一番距離が近いところにいると言えるかもしれません。

TikTok Japan 秋山拓也さん TikTok Japan オフィスの様子
写真提供:TikTok Japan

――パトロールとなると、お仕事は24時間体制ですか?

秋山:そうですね。シフト制で行っていて、1時間の休憩を含めて計9時間の勤務になります。もちろん夜勤もありますが、休みはきちんと取れますし、残業がほとんどないのも自分の中ではこの仕事の魅力になっています。広告の仕事をしていた頃は残業も多かったですから。

TikTok Japan 秋山拓也さん インタビュー中の様子

今は自宅にいながらのテレワークなのでギリギリまで寝ていられるのはちょっとラクですが(笑)、在宅ワークはあまり好きではないので、早く出社したいというのが本音ですね。

――このお仕事の一番面白いところは?

秋山:世間のニュースをいち早く知れるというか、常に世間の流れに一番敏感なところにいられることですね。だからこそ求められるのがトレンドを追う力。「興味がないからどうでもいい」というのは通用しないので、今流行っているものをしっかり察知して、それがどういうものなのかを簡単にでもいいから調べておくことが大事だと思っています。動画を審査する上で、それを知っているのと知らないのとでは大きな違いが出てくるので。「あ、実はこれこういう意味なのか」みたいな、表面上じゃ分からないことも結構あったりしますしね。

TikTok Japan 秋山拓也さん 仕事中の様子
写真提供:TikTok Japan

――逆に大変だと思うところは?

秋山:悪質なコンテンツがTikTokに投稿されてしまった際に、どうやって食い止めるか、そしてどういう風に対処するかをスピーディーに対応しないといけないところですかね。ガイドラインがあるので、明らかに違反していればすぐに対処できるんですけど、どうしても微妙なラインのコンテンツというのがあって、そういう場合は一度社内で検討するようにしています。

また、動画審査に関わるスタッフの人数がとても多いので、それぞれで偏った対応にならないよう全員で認識をすり合わせるのもなかなか苦労するところですね。

――テレワークをしている今は、そういったスタッフとのやり取りも全てオンラインで?

秋山:チャットやビデオ通話機能、またドキュメント機能やスケジュール管理機能を統合した統合型コラボレーションツールがあるので、基本的にはそれを使ってやり取りしています。いつも平日夕方から1時間くらい会議があって、その場で議題を挙げることができるので、そこでみんなで「こうしていこう」とか「こういうガイドラインも作ろう」といった検討を行う感じですね。また、その夕方のミーティングに限らず、例えばまだ仕事を始めたばかりの新人さんがいる時は、画面を共有して自分のやり方を見てもらいながらいつでもアドバイスできる状態にしたりしています。

TikTok Japan 秋山拓也さん テレワーク中の様子

私が入社した頃はまだTikTokが日本でローンチして間もない頃で十数人しかいなかったんですけど、今は「TikTok」を見たり投稿したりする人がより増えたこともあって、スタッフの人数も比べ物にならないくらい増えていってますね。私も採用面接を担当することがあるんですが、1日で1人あたり複数人面接することもあり、会社としては力を入れて採用に取り組んでいる状況だと思います。

経験したもの全てが、今に生きる力に

――秋山さんが企画構想学科で学ぼうと思ったきっかけを教えてください

秋山:もともと、ちょっとではあるんですがピアノをやっていたこともあって、音楽とか芸術系の大学を探していたんです。そしたら資料請求する中で芸工大がヒットして、そこで初めて企画構想学科の存在を知りました。企画することも人の役に立つことも好きだった私としては、それがピアノよりもずっと楽しそうに思えて、すでに高校1年生の時点で進学しようと決めていました。

実際に入ってみると、これがなかなか大変で(笑)。学生と言えど普通の社会人とほぼ変わらないくらいの仕事をしていたな、と思います。プロジェクトの数もとても多くて、空きコマがあってもずっと会議をしたりブレストしたりしていたことを今も思い出しますね。

――特に印象に残っているプロジェクトや活動はありますか?

秋山:山形県西川町にある廃校を会場に行った「月山青春音楽祭」ですね。2012年からスタートして2015年まで続いたイベントなんですが、僕らが運営した2015年はレミオロメンのボーカルの藤巻亮太さん、KANさん、尾崎裕哉さんの3名がゲストとして出演してくださいました。アポ取りから何から全て学生の手で行うイベントだったので、苦労する場面もすごくたくさんありましたが、何よりいい経験になりましたし度胸も付きました。「あの時できたんだから、今だってできるだろ!」って。

TikTok Japan 秋山拓也さん 月山青春音楽祭のメインステージ
TikTok Japan 秋山拓也さん 企画構想学科3年生の集合写真
月山青春音楽祭:山形県西川町にある廃校を会場に2012~2015年まで開催した音楽イベント。地域のコミュニティ・つながりの希薄化を音楽で活性化するという試みに企画構想学科の3年生が取り組んだ。

あと、いろんな委員会の活動にも積極的に取り組みましたね。正直すごく面倒くさいんですが、その分すごく力が付いたと思っています。あとオープンキャンパスの手伝いなんかも楽しかったですね。

――そうなると、リーダーシップを取る場面も多かったのでは?

秋山:そうなることが多かったですね。でも実は、人前でプレゼンするのもプロジェクトの代表や副代表になるのもあまり得意ではなかったんです…(笑)。「月山青春音楽祭」の時に、運営の代表と副代表に付く秘書みたいな役割を任されて、そこからそういうキャラみたいなのが定着しちゃったんですよね。その流れで卒展の副代表をすることにもなりましたし。でも結果的に、やって本当に良かったと思いました。

――そんな企画構想学科での学びは、今どんな形で仕事に生かされていますか?

秋山:最初に入社した会社で初めて企画書を作った時、それを見た上司に「このまま持って行けるよ!」とすごく驚かれて、とにかく企画書をたくさん作る学科だったので、仕事に直結する力になっていることを身をもって実感しました。

――秋山さんは学生の頃から、分かりやすい企画書を書くことで定評があったと聞きました

秋山:それはもう、学科のボブ田中先生 のおかげで。企画書を作る時は、依頼内容を隅々まで読んで把握しておくことがとても大事で、ちょっとでも分からないことがあるとそれが企画書に出ちゃうんですよね。ということは、プレゼンをする時にも出てしまうということ。なので「ここはどういうことだろう?」と疑問に思うところがあったら、きちんと確認するのがポイントだと思っています。
※企画構想学科学科長、教授。プロフィールの詳細はこちら

今の会社では前ほど企画書を作る機会はなくなってしまったんですが、ドキュメントファイルを作ることは結構あって、例えば予算書を作る時は「月山青春音楽祭」で作った時の経験が生きてきますし、同僚により良い見せ方を相談されることも多いですね。常に相手にとって分かりやすい内容になっているかを強く意識するようにしています。

積極的に動いた先にチャンスはある

――今後、挑戦してみたいことは?

秋山:この会社にいるのは2019年からなんですが、今いるメンバーの中ではすでに歴が長い方なので、今後は管理する立場になっていけたらいいなと思っています。実際、最近は管理の仕事がメインになってきていて、数値の管理や全員のシフト作成、またドキュメントで連絡事項などを作成してみんなに促すといった仕事が増えていますね。

TikTok Japan 秋山拓也さん インタビュー中の様子

前の会社ではデジタル系の部署にいて、今の会社でも数値分析をしてそこから改善策を提案するようなことをしているんですが、チームの業績などもあわせて管理しているので、今後はデータを元にしながら今よりもっと効果的に一人一人にあったアドバイスやフィードバックをしていければと考えているところです。

――入社2年でその役割というのは、会社としても秋山さんへの期待が大きいのでは?

秋山:TikTokはグローバルなプラットフォームで世界中に同僚がいるため、英語などの語学力が求められることが多いです。私は英語ができないんですけど、それでも入社できたということはもっと違う部分での頑張りを期待されているんだと思うんです。なので「英語はできませんが、こういうことならできます!」と言って、自分からどんどん仕事をもらいに行くようにしています。また英語についても、せめて単語くらいはと思って勉強しています。テレワークになる前の社内はいろんな国の言葉が飛び交っていましたから。

――それでは最後に、企画構想学科を目指す受験生へアドバイスをいただけますか?

秋山:企画構想学科はチャンスがつかみ取り放題のようなところがあるので、ぜひ自分からどんどん動いて、授業でやっているプロジェクト以外のものにも積極的に参加してほしいですね。それから、同じ学科の人とはもちろんなんですが、他の学科の人やサークルの仲間、アルバイト先の人、また地域の人などとも深い関わりを持っておくといろんなところで生きると思います。

――ちなみに、高校生のうちから準備しておけることはありますか?

秋山:自分のビジョンをしっかり持っておくこと。あと企画構想学科を目指すのであれば、例えば面接の場で「自分はこういうことを考えているのですが、いかがでしょうか?」といった提案ができるととてもいいと思います。そのためにも、普段から企画に触れる機会を作ったり、「もっとああしたらいい、こうしたらいい」というのを日常的に考えるようにしておくことをおすすめします。

TikTok Japan 秋山拓也さん インタビュー中の様子

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トレンドの発信源として高い人気を誇るツールだからこそ、そこに関わる自らも、常に世の中の動きにアンテナを張ることを大切にしている秋山さん。加えて、企画構想学科で培った企画書などの資料を分かりやすくまとめる力、プロジェクトを通じて養われたリーダーとしての責任感、そしてどんなことにも挑戦してみようという姿勢。それらを持ち合わせているからこそ、入社2年目でありながらスタッフを管理する役割を任され、その期待に応えられているのではないかと感じました。
(撮影:永峰拓也 取材:渡辺志織、企画広報課・須貝)

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東北芸術工科大学 企画広報課
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