第40回 クリスマスの想い出~ニルソンの巻|かんがえるジュークボックス/亀山博之

コラム

ふりかえるジュークボックス

 1年をふり返る時期がまたやってきた。What have you done this year? 今年はどんなことをしましたか?
 2025年の「かんがえるジュークボックス」で印象深いのは、学食とのコラボメニューのエビランチ(第38回参照)と、ミッシェル・ポルナレフのコスプレで宣伝したプリン・ア・ラ・モード(第33回参照)でしょうか。それと、わがバンド「夕ヶ谷姉妹」の市内某所でのシークレット・ライブ(わたしだけ緊張しすぎて自滅)、そして、芸工祭での夕ヶ谷グッズ販売(第37回)。グッズは盛大に売れ残っているので、来年も販売したいものであります。また、取り上げた曲のなかで個人的にグッとくるのは、カエルのカーミットの“Rainbow Connection”(第31回)。カエルが今年の年間大賞。

芸工祭のコラムブース
秋の芸工祭の様子
マステ、来年も売るので買ってください!

 なんだかんだと、いろいろあった2025年。All’s well that ends well. そう、終わりよければすべてよし。そういうことにしよう。

追憶のクリスマス

 とにもかくにも、どの思い出も今はもう遠い昔のことだ。もうここにはない過去の輝き。ああ、輝きははるか昔の遠い彼方にあるだけ・・・。

ニルソンの「リメンバー(想い出)」日本盤
ニルソンの「リメンバー(想い出)」日本盤

 想い出、クリスマス。こんなテーマをかんがえるのにふさわしい1曲がある。ジョン・レノンの飲み仲間としてもお馴染みのハリー・ニルソン(Harry Nilsson)による1971年のヒット曲“Remember (Christmas)”だ。邦題は「リメンバー(想い出)」である。原題の副題には「クリスマス」とあるから、年末にふさわしい内容だと作者本人も考えているのだろう。
 クリスマスの想い出といえば、幼稚園のとき、サンタクロースがやってきてプレゼントをくれたことを覚えてる。そのときの写真もあったかもしれないと思って探したら、あった。40年以上昔の想い出、サンタとわたしをどうぞ。昭和だ。

4歳の亀山准教授とサンタ
サンタにお礼をする4歳のわたし in 1984

 うーん、懐かしい。
 ところで、クリスマス・ソングといえば、鈴の音がたいてい入っている。ジョンとヨーコでもマライヤでもそうでしょう。けれど、このニルソンの「リメンバー」には鈴の音は入っていない。クリスマスの雰囲気はないといえばないのだが、昔のことを思い出すのにぴったりの、実にしんみりした良い曲である。これを聴きながら、ぜひ皆さまも一年をふり返ってください。

Long ago, far away
昔、はるか遠く

Life was clear, close your eyes
人生は澄みきっていた、目を閉じてごらん


Remember is a place from long ago
思い出とは、遠い昔にある場所

Remember filled with everything you know
思い出とは、あなたが見聞きしたすべてにあふれている

Remember when you’re sad and feeling down
悲しくって落ち込んだときには思い出して

Remember turn around
思い出してごらん、ふり返って

Remember life is just a memory
思い出して、人生とはただの記憶

Remember close your eyes and you can see
思い出、目を閉じれば見える

Remember think of all that life can be
思い出して、どんな人生を送ることができるだろうか

Remember
思い出してごらん


Dream, love is only in a dream, remember
夢、愛は夢の中にだけある、思い出して

Remember life is never as it seems.
思い出して、人生は決して見かけ通りじゃない

Dream


Long ago, far away
昔、はるか遠く

Life was clear, close your eyes
人生は澄みきっていた、目を閉じてごらん

 “Remember”は動詞であるが、名詞として使ってみたり、動詞としてやっぱり使ってみたり、そんな切り返しがオシャレな詩である。いずれにせよ、1年をしっとりふり返るのにぴったりな1曲。

 さて、今年も1年「かんがえるジュークボックス」にお付き合いいただきましてありがとうございました。早いものでこのコラムも来年には4年目に入ります。原稿料がまったく発生しないのに、よく続けているものである。それというのも、読者の皆さまがいてくださるからこそ。ありがとうございます。来年もどうぞよろしくお願いします。少なくとも100回までは意地でも書き続ける所存であります。

【告知】新年のイベント告知

 そういえば、このコラムとは別企画で、11月に初回を開催したトーク・イベント「人文なふたり~サブカル映写会」は、来年も継続します。

トークイベント
「人文なふたり~サブカル映写会」
図書館入り口での第2回告知の様子

 同僚の花田先生(映画・日本社会論が専門)とわたし(英語教育・19世紀米文学が専門)とで共同企画運営をしているこのイベント、次回は1月15日(木)17:30~18:15、図書館2階AVルームで開催予定です。地味に好評につき、1月の会は通常より15分長い拡大版。ぜひお越しください。

 それでは、次の1曲までごきげんよう。Merry Christmas! また来年!
 Love and Mercy

(文・写真:亀山博之)

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亀山博之(かめやま・ひろゆき)
亀山博之(かめやま・ひろゆき)

1979年山形県生まれ。東北大学国際文化研究科博士課程後期単位取得満期退学。修士(国際文化)。専門は英語教育、19世紀アメリカ文学およびアメリカ文学思想史。

著書に『Companion to English Communication』(2021年)ほか、論文に「エマソンとヒッピーとの共振点―反権威主義と信仰」『ヒッピー世代の先覚者たち』(中山悟視編、2019年)、「『自然』と『人間』へのエマソンの対位法的視点についての考察」(2023年)など。日本ソロー学会第1回新人賞受賞(2021年)。

趣味はピアノ、ジョギング、レコード収集。尊敬する人はJ.S.バッハ。