第38回 来襲!ロブスター・ランチ?~The B-52’sの巻|かんがえるジュークボックス/亀山博之

コラム

楽しいことはどこにある?

 山形は、秋を飛び越して冬が突然やって来たような寒さ。気温は低くとも、気持ちはいつも熱く保って生きていきたい。How then?(では、どうやって?) 楽しいことは向こうから勝手にやってくるわけではないので、自分で楽しいことを見つける、あるいは、やる。そんなことを最近かんがえているのであります。

大学の池でロブスターを素手で捕まえる
大学の池でロブスターを素手で捕まえる楽しげな筆者

 身近な楽しいことを探すべく、先日、大学本館の前の池に住むロブスターの捕獲を試みたのでありました。というわけで、今回のトップ画像はそのロブスター漁の様子です。

エビ・パーティー

 年中どこにいても楽しそうな、歩くパーティー集団みたいな人たちがいるよなあ、と真っ先に思い浮かんだのがアメリカのThe B-52’s。こう表記して「ザ・ビー・フィフティートゥーズ」と読む。ニュー・ウェーブとか呼ばれるジャンルに分類されるようだが、“New”とはいえ、もうすっかり安定感のあるお馴染みの大御所。今も現役でパワフルなライブをやっているのがすごい。カウベルを片手に飄々と歌うフレッド・シュナイダー(Fred Schneider)、オノ・ヨーコを思わせる奇声系歌唱が素晴らしいケイト・ピアソン(Kate Piarson)とシンディ・ウィルソン(Cindy Wilson)を中心としたバンド。じじつ、ジョン・レノンは、ディスコのジュークボックスから流れてきた彼らの曲を聴いて、これはヨーコか?!と思ったという。

The B-52's「ロック・ロブスター」日本盤
The B-52’s「ロック・ロブスター」日本盤

 そんなThe B-52’sの代表曲といえば、1979年発表の「ロック・ロブスター(Rock Lobster)」。ロック・ロブスター、それはつまり伊勢エビのことである。伊勢エビについて歌うというだけでぶっ飛んでいて素敵だ。小さくまとまってはいけない。自分の心ひとつで毎日がパーティーなのだ。もうおわかりでしょう、このコラムと学食のコラボ企画第5弾、それはロブスター定食!

学食のコラボメニュー「エビランチセット」
11月の特別コラボメニュー「エビランチセット」

 と思いましたが、さすがにロブスターを学食で提供するのは高難度でして、エビに変更します・・・。とはいえ、エビフライとエビチャーハン、さらに皆さん待ち焦がれていたナポリタン、それにスープとサラダがついての豪華な(ロック・ロブスター)エビランチセットです!
 提供期間は11月10日(月)~14日(金)の5日間。毎日12時30分から販売開始。お値段は380円。どうぞお楽しみに!

海辺のパーティー

 それでは、海に日焼けにロブスター!The B-52’sの永遠のパーティー・アンセム「ロック・ロブスター」をさっそく聴きましょう。海にまつわる英単語のお勉強にもなるかもしれない。

We were at the party
ウチらはパーティーをしてた

His earlobe fell in the deep
あいつの耳たぶが海に落っこちた

Someone reached in and grabbed it
誰かが手を伸ばしてつかんだら

Was a rock lobster
それはロックロブスター(伊勢エビ)だった


Rock lobster Rock lobster
ロックロブスター ロックロブスター


We were at the beach
ウチらはビーチにいた

Everybody had matching towels
みんなお揃いのタオルを持って

Somebody went under a dock
誰かがドックの下に入り込んだ

And there they saw a rock
そこで岩を見つけた

It wasn’t a rock
岩じゃなかった

Was a rock lobster
それはロックロブスター(伊勢エビ)だった!


Rock lobster Rock lobster
ロックロブスター ロックロブスター

Motion in the ocean
海の中の動作

His air hose broke
あいつの空気ホースが壊れた

Lots of trouble
トラブルだらけ

Lots of bubble
泡だらけ

He was in a jam
あいつはすき間に入り込んだ

He’s in a giant clam
あいつは巨大な貝に飲み込まれてる


Rock, rock, rock lobster
ロック、ロック、ロック・ロブスター

Down, down
海の底へ!海の底へ!


Underneath the waves
波の下では

Mermaids waving
女の人魚が手を振ってる

Waving to mermen
男の人魚に手を振ってる

Waving sea fans
珊瑚も手を振ってる

Seahorses sailing
タツノオトシゴが泳いでる

Dolphins wailing
イルカが泣いてる


Rock lobster Rock lobster
ロック・ロブスター ロック・ロブスター


Red snappers snapping
赤魚が指を鳴らしてる

Clamshells clapping
貝が手を叩いてる

Mussels flexing
ムラサキガイは屈伸運動

Flippers flipping
イルカたちはジャンプ


Rock, rock, rock lobster
ロック、ロック、ロック・ロブスター

Down, down
海の底へ!海の底へ!

Lobster, rock Lobster, rock
ロブスター、ロック、ロブスター、ロック

Let’s rock
レッツ・ロック!


Boys in bikinis
ビキニの男の子たち

Girls in surfboards
サーフボードの女の子たち

Everybody’s rocking
みんなロックしてる

Everybody’s fruging
みんなダンスしてる

Twisting around the fire, having fun
たき火のまわりでツイスト、楽しんでる

Baking potatoes, baking in the sun
芋を焼いてる、太陽の下で芋を焼く

Put on your nose guard
鼻当てをつけ

Put on the lifeguard
救命胴衣をつけろ

Pass the tanning butter
日焼けオイル貸して


Here comes a stingray
エイがやってきた

There goes a manta ray
マンタレイが行く

In walked a jellyfish
クラゲが歩いてきた

There goes a dogfish
向こうにはツノザメが

Chased by a catfish
ナマズに追いかけられてる

In flew a sea robin
ホウボウが泳いできた

Watch out for that piranha
あそこのピラニアに気をつけろ

There goes a narwhal
イッカクが行く

Here comes a bikini whale
ビキニを着たクジラがやって来た


Rock lobster Rock lobster
ロック・ロブスター ロック・ロブスター

 ロブスター、ロブスターと連呼している曲を聴いてもらいながら、学食ではエビランチを味わっていただくことになりますが、どうぞご理解を。毎日がパーティーな気分で過ごそうではありませんか。

エビランチセットとロブスター
エビランチセットは11月10日から提供です

 どうぞお楽しみください。
 それでは、次の1曲までごきげんよう。
 Love and Mercy

(文・写真:亀山博之)

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亀山博之(かめやま・ひろゆき)
亀山博之(かめやま・ひろゆき)

1979年山形県生まれ。東北大学国際文化研究科博士課程後期単位取得満期退学。修士(国際文化)。専門は英語教育、19世紀アメリカ文学およびアメリカ文学思想史。

著書に『Companion to English Communication』(2021年)ほか、論文に「エマソンとヒッピーとの共振点―反権威主義と信仰」『ヒッピー世代の先覚者たち』(中山悟視編、2019年)、「『自然』と『人間』へのエマソンの対位法的視点についての考察」(2023年)など。日本ソロー学会第1回新人賞受賞(2021年)。

趣味はピアノ、ジョギング、レコード収集。尊敬する人はJ.S.バッハ。