山形ビエンナーレ2020を開催します【開催概要】

◎ごあいさつ:『身体に効く、体験型の芸術祭に』
総合プロデューサー/東北芸術工科大学学長 中山ダイスケ

山形ビエンナーレはこれまで、「震災後の東北において、アートとデザインで何ができるか?」というコンセプトで、山をテーマに三部作として開催してきましたが、今回はそれに続く新たなシリーズの始まりとして、「もっと市民が体験できること」をテーマに考えていました。

そんな中、あるトークイベントに稲葉俊郎さんと一緒に登壇し、現役の医師という視点から「アートは新しい医療である」という考えをお聴する機会があり、「身体に効く、体験型の芸術祭」を創りたいと考えるようになりました。おそらく、日本で(世界でも?)初めて現役のお医者さんを芸術監督に迎える芸術祭になるのではないでしょうか。

一般的にアートイベントのコンセプトは難解ですが、稲葉さんはとてもわかりやすい言葉で芸術を翻訳してくれますので、安心して普段は触れたことのない音楽やアートを楽しみ、自身の生活とナチュラルにつないでくれると思います。山形には奥深い文化を土台に新しい芸術を生み出せる土壌があることや、まったく新しいアートとの付き合い方をご覧いただくことで、この街のあり方やわたしたちの命について一緒に考える芸術祭になればと考えています。

ぜひ、新しく生まれ変わるビエンナーレの趣旨にご賛同いただき、山形へお越しいただければ幸甚に存じます。

◎芸術監督メッセージ:『全体性を取り戻す芸術祭』
芸術監督 稲葉俊郎

何かを失い始めたときには違和感を感じ、
完全に失ってしまうと何も感じなくなってしまう。

生きる行為は生命の全体的な営みだ。
全体性を取り戻す壁は、人間の中にこそある。

全体性とは何か?
体には全体性がある。皮膚、脳、内臓、骨、肉、血管・・・。
心には全体性がある。意識、無意識、さらにさらに深い無意識、意識が発生する場所、
無意識が発生する場所・・・。
命には全体性がある。生まれること、老いること、病と共に生きること、死ぬこと。
人生には全体性がある。赤ちゃん、こども、大人、老人。
自然には全体性がある。水、火、土、風、人間。地球、月、太陽、宇宙。

瞬間瞬間に、全体性の意味付けは変化し続け、私たちの前に立ち現れる。

全体は、部分と部分とが相互に関係して影響しあって形作られている。
関係性の歯車がひとつでもずれると、部分は全体へと波及し影響する。
同時に、
全体の変化も、部分へと作用する。
部分と全体とは、常に開かれた対話をしている。

自然界の部分と全体とは常に変化のプロセスにいるからこそ、
時にはわたしたちの心身も変化し、バランスは崩れる。

バランスを失い、元ある全体性を取り戻そうとするとき、そこには場が必要だ。
温泉で体をゆるめ、頭もほどき、食で体と心をほぐし、芸術と対峙して無意識を活性化させる。
まさに、山形は全体として理想的で未来の病院だ。

星をつなぎあわせて全体としての星座を読み取るように、
山形という地、全体の生命の正座を読み取るのはわたしたちの役目だ。

わたしたちの生命は、森羅万象に開かれている。
わたしたちひとりひとりは、一対一で宇宙に対峙している。

体や心は内的自然であり、そこには生態系がある。
外だけではなく、内的生命そのものが森羅万象に開かれている。
それは全員にとって平等である。

絶対的な生命の平等の立場に今一度立ち戻りながら、
失われた全体性を取り戻す、とはどういうことか。

祭りは誰に対して捧げられるものなのか。
そうしたことの問いと実践と提案とを、
未来へと投げかける芸術祭である。

▶︎ プロフィール等


◎山形ビエンナーレ2020 開催概要

1. テーマ
山のかたち、命のかたち

2. コンセプト/目的
わたしたちが生きる行為は生命の全体的な営みであり、体・心・命・人生・自然などの全てに含まれる部分と部分が相互に関係し影響しあってバランスを保ち、全体が形作られている。現代社会のさまざまな事象により、心身のバランスを失いかけているわたしたちには、全体性を取り戻す場が必要だ。
温泉で体をゆるめ、頭をほどき、食で心身をほぐし、芸術と対峙して無意識を活性化させる──新しい山形ビエンナーレは、現役の医師が芸術監督を務める他に比類のない芸術祭として、訪れる人たちが本当の健康を回復することのできる、理想的な未来の養生所になることを目指す。

3. 会期
2020年9月5日[土]〜27日[日]の金・土・日・祝日(計13日間)
9月5日[土]・6日[日] ・11日[金]・12日[土]・13日[日]・18日[金]・19日[土]・20日[日]・21日[月祝]・22日[火祝]・25日[金]・26日[土]・27[日]

4.会場
山形県郷土館「文翔館」、山形まなび館、とんがりビル、郁文堂書店、
BOTA Theater、gura、長門屋ほか、市街地商店街など複数会場

5. 入場料等
作品鑑賞:無料
ライブ・イベント等:一部有料

6. 運営体制
総合プロデューサー:中山ダイスケ(東北芸術工科大学学長)
芸術監督:稲葉俊郎(医師/東京大学医学部付属病院)
キュレーター:三瀬夏之介(本学芸術学部長)/岩井天志(本学教授)/原高史(本学教授)/深井聡一郎(本学准教授)/青山ひろゆき(本学准教授)ほか
アートディレクター:小板橋基希(株式会社akaoni代表)
事務局:地域連携推進課

7. 主催等
主催:東北芸術工科大学
後援:山形県、山形市、山形県教育委員会、山形市教育委員会(予定)
助成:各種申請中
協賛:募集中

8. 参加アーティスト等  
現在選考中(3月時点で約70組)

9. お問い合わせ
東北芸術工科大学 山形ビエンナーレ事務局(地域連携推進課内)
〒990-9530 山形県山形市上桜田3-4-5
Tel 023-627-2091/Fax 023-627-2081
お問い合わせフォーム

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