東北から見る未来
東北にはこれからの日本が直面する課題が凝縮されています。そして、その課題は他地域に先行して顕在化してきます。裏を返せば、日本中の近未来に早くから向き合うことができるということ。この地での学びは、貴重な経験となり、未来へと直結します。
美大で得る思考
美大の学びは、徹底的に考え、自分なりの課題や答えを見つけ出す思考力を鍛えます。この力は、答えの無い問題に向き合わなければならないこれからの社会に最も求められる能力です。芸工大では、その能力を育むための環境やカリキュラムを整えています。
芸工大だから触れられるリアル
芸工大には企業や行政から年間100件を超える課題が寄せられ、その課題を解決するプロセスに学生が関わります。本物の課題を解決する中で、さまざまなことを体で学び、力に変えていきます。超実学とも言うべきこの教育が、強力な実践力を育てます。
就職に弱い?それは過去の話
芸工大の内定率は約97%。クリエイティブ産業に限らずさまざまな企業へ学生が進出しています。美術を探求する学生も、やりたい仕事で経済的な基盤を確立しながら創作活動も続け、アーティストであり続ける。そんな先進的で豊かなライフスタイルを手に入れています。
全国レベルの受賞を次々と
独自の視点で課題を見つけ、解決方法を考え抜く力は特別な人だけに備わるものではなく、誰もが磨くことのできる能力です。この環境に身を置き、地域と関わり合うことで着実に成長し、さまざまな全国レベルのコンテストでも華々しい成果をあげています。
周りが気付き始めた、芸工大の可能性
芸工大はアート・デザインを通じて創造的に社会を変える人材を育成する唯一無二の大学を目指しています。近年、世界的重工業メーカーから多数の自治体、教育委員会や県内有数の進学校まで、さまざまな団体と連携協定を締結するに至っています。

東北芸工大で学んだ意味は、
きっと10年後に解ります。

東北芸術工科大学はただの美術大学ではなく、クリエイティブな運動体です。多くの社会課題を抱える山形と東北各地をフィールドにしながら、新しい美大のありかたを常に考えています。「芸術的創造と人類の良心によって 科学技術を運用する新しい世界観の確立を目指す」と宣言された建学理念のもと、教育カリキュラム、学生活動のサポート、進路支援に至るまで、東北芸工大のクリエイティブ力を広く一般社会に有効活用するための機能が運動体としてデザインされています。

今年の大学のテーマは「未来」です。
「未来」とは、すでに使い古された言葉ですが、これに代わる先の時間を指す言葉はありません。「未来」を創るのが美大なのか?東北芸工大は「未来」の美大なのか?そのどちらも大切な問いなのですが、2020年に私たちが掲げる「未来」とは、もっと純粋に、この先の時代の人間のありかたや、生き方についてのイメージ、つまり「未だ見えない、来たるべき人間の姿」です。

進化し続けるICT(情報通信技術)もAI(人工知能)も、世界中の知恵と情報を直接つなぎ合わせたい、もっと正確で回転の早い頭脳を持ちたいと、人間自身の機能の代わりを進化させた技術ですが、そんな人間の欲望は、ついに作ることも考えることも代わりにやってくれる優秀な相棒を生み出しました。忠実で疲れ知らず、正確で嘘をつかない、ずっと先のことまで考えてくれる、スーパーな相棒、それがAI技術です。

そんな相棒を手放しに称えて、ぼーっと喜んでいてはいけません。ようやく理想の相棒を得たのなら、次は我々人間が変わる番です。面倒なことや複雑なことはみんな相棒が引き受けてくれます。生活や働き方といった日々の生業のありかたも大きく変化します。これまでの私たちは、高度な機械文明や情報化社会の発展を急ぐあまりに、知らず知らずのうちに人間らしい感情を忘れて機械化されていました。

自らの心を蝕んでまで急速に発展させた数々の新技術が実装される今、私たち人間は、新技術とは別の方向に、とことん進化するべきだと考えます。つまり、人間がかつて捨て去り、次第に忘れてしまった「感じる知性」を取り戻す時間の始まりです。人間らしさとは何か?を謙虚に問い、自分たちの暮らしを客観的に見直してみる。それは、季節を感じ、土や水に触れ、感じて味わって、互いに心を通わせることです。きっとそれは、遠い昔の私たちの祖先の姿に近いのではないかと想像します。

素晴らしい技術とは、いつの時代もすぐに風景に馴染み、日常に溶けて入ってくれます。いつかデジタルデバイスを握らなくとも技術の恩恵を受けられるその時、あなたの空いたその両手は何に触れ、何を生み出しますか?それが東北芸工大の考える「未来」、つまり「未だ見えない、来るべき人間の姿」への問いです。

「未来」はすでにSF的イメージを大きく超え、一回りして「原始」に学ぶという新たなスタート地点に戻ってきました。今だからこそ、手でモノをつくり手で考える。たくさんの人に直接出会ってコトを交わす。日々の制作活動で、ともに笑って、ともに泣いて、押し殺していた感情の質感と、体験から生まれる知性を自分の中に取り戻してみる。アートやデザインの学習現場には生々しい体験が詰まっていますし、原始的な人間の感覚を取り戻すための学問に、アートとデザインに代わるものはありません。自然と歴史に富んだ東北は、格好のアトリエです。

2020年という節目の年から、今まさにアートとデザインを学び始めようとするみなさんは、単なるクリエイターを超えて、新しい社会の模範となる未来の人間です。

人間社会全体が、リアルな感覚と知性を取り戻す時代を先取りして、東北芸工大は「未来」の学びをあえて泥臭く設定します。感覚を取り戻した未来の人々が心底感動するモノやコトは、より高次元の「本物」でなければ通用しないでしょう。みなさんが東北芸工大で学んだ意味は、きっと10年後に解ります。未来に通用する本物のクリエイターは、この大学からこそ生まれます。