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一列に並ぶ、群生

南健吾 Kengo Minami
洋画コース

酒井忠康 評…私はちょっと戸惑う感じで見ていましたけれども、特別に奇をてらった絵画だとは思いませんでした。ドイツのホルスト・アンテスの描くシンプルな人間像とか、文学で言えばフランツ・カフカの超現実主義的な世界観とか、いろいろなことを作品から連想できましたね。ただ、奈良美智と同じように、こういうキャラクター創作的な絵画が時代に評価され、一人歩きしていくと、もはや自分が描いているのか、キャラクターが一人歩きしたものを追いかけているのかわからなくなるような、そういう現象が生まれるのです。でも、この作品を追いかけている自分を、さらに客体化して追いかけ、分析していくというような、二重三重の構造が、今後の彼の想像力に働かせうるようだと、この人は非常に恵まれた素質があるように思いますね。これからです。

(2006年度 卒展プライズ受賞作品)

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