歴史遺産学科Department of Historic Heritage

田向史龍|古民家再生の課題 -山形県内における利活用の認識について-
青森県出身
志村直愛ゼミ

 この研究は山形県の古民家活用の現状及び課題に関する研究である。まず初めに古民家とは、元々日本国内において長い歴史を持つ一般住宅等を指す。しかし、近年では古民家を取り巻く様々な問題が影響し、全国的に数を減らしつつある。山形県でも、古民家を維持するための活動が各地で見受けられるが、それでもなお減少傾向にある。調査の中で「山形県内で現存する古民家の数は18,000棟である」というデータがあるが、「現状崩れてしまったもの」や「手放されてしまったもの」等、誰も把握していない場所で減少しつづけているため、実際の数はこれよりもさらに少ないとされている。本研究では、「山形県での古民家の利活用に関する課題」を明確にすることを目的として活動を行った。山形県での古民家が抱える問題点をまとめ、今後のまちづくりに繋げるために必要な要件をまとめた。

この研究を行うことにより、山形県内の古民家の現状や問題点を可視化でき、古民家の有する課題点や今後に生かす方針を正確に判断することができる。そして、山形県の町づくりに対する一つの研究結果として、町づくりに貢献することができる。

この研究の主な進め方としては、「資料調査によって活用の課題・運用に関する仮説を立て、その後の聞き取り調査の結果と比較をする」という形になる。まずは文献やデータによる資料調査を行い、山形県での古民家活用の課題を調べる。そして、資料調査で得た情報を元に「古民家活用はどのような形で行われると良いか」という点を考察し、自分の中での仮説を立てる。

 その後、実際に山形県各地の事例に対して聞き取り調査を行い、「調査で得た情報」と「資料調査の段階で建てた仮説」との比較を行う。仮説と調査結果の相違点、共通点などをまとめ、そこから古民家活用の方針を探るという形になる。聞き取り調査の対象としたのは、「山形県内で古民家の改修や活用を手掛けている企業」 「山形県内で改修され、現在も活用されている事例」「建築物に関わる職員の方々(県土整備部 建築住宅課)」などであり(図1、2)、どの事例も実際に現地に赴き、プロジェクトを始めたきっかけや改修に関する考え方をまとめた。(図3)

1.「シェアスペース つぶ亭」外観

2.「コワーキングスペース つるのこ」外観

3. 古民家活用による活性化の手順