宍戸智紀|山形市野草園の基礎研究と展示・教育普及の実践
福島県出身
佐藤祐輔ゼミ
これまでボランティアとして通ってきた山形市野草園が、これからもたくさんの人が楽しめる所であってほしいと考え、調査研究することに決めた。最終的な目的として、山形市野草園の特色や業務などの分析、展示やイベントの実施とアンケートの分析などを通して、博物館業務の向上と、展示や記録の改善の手法を考察した。
山形市野草園は「市政施行100周年の記念事業として、自然を愛し育てることを啓発し、 花と緑あふれるまちづくりの精神を普及し、「自然と人間との共生」を図ること」を趣旨とし、1993(平成5)年4月18日に開園した。
地理的な特徴として、瀧山の山体崩壊によって発生した岩屑や泥流がなだらかに堆積した地形に位置する。岩屑や泥流にしみこんだ雨水が豊富な湧水となり、自然林や池沼、湿原を形成した。これらの特徴が、野草園のシンボルである1万株のミズバショウとザゼンソウを育み、野草園設置の背景となったと言える。空中写真を整理すると、荒地と広葉樹から田畑と果樹、針葉樹へと人の手が入り、この過程で野草園の輪郭が形成された。開園以前を知る元職員への取材から、この頃の土地利用は、水田とため池、野菜や果樹、飼料などの畑、植林地や薪炭林であったという。
令和6年度には野草園の協力を得て、2回の屋内展示(図2)と、野外イベント(図3)を実践し、併せて利用者アンケートを行った。展示のアンケートからは、自然に対する興味関心は高く、継続的な展示更新と、周知のために中長期的な展示計画が必要であると考えられる。イベントのアンケートからは、行ってみよう、また来たいと思えるようなきっかけ作りとして有効であり、子どもの関心を惹き付けるイベント内容をより強化すべきである。また、これからの野草園には、自然と触れ合えること、新しい知識を得られる場所であるだけでなく、ゆっくりすごせる、子供を遊ばせることができるなどの評価があり、過ごしやすさが求められている。 以上のことから、今後の博物館業務の向上は、常設の展示である植物やパネルだけでなく、企画展やイベントの実施、学習シートなどの補助教材の製作が重要であると考える。そのためには、事前の業務の効率化と、2~5年の期間を想定した展示計画や広報が土台として求められる。それには、職員だけでなくボランティアや来園者が共に、野草園の魅力を引き出していくべきであると考える。

1. 第1回展示 パネル1/パネル5

2. 第2回展示 パネル2

3. クロスワードラリー Aコース マップ