企画構想学科Department of Project Design

[優秀賞]
林莉央|しずくの予報士プロジェクト
山形県出身
片岡英彦ゼミ

汗の悩みを個人の問題として抱え込まない社会を目指す啓発企画。汗の悩みは見えにくく、周囲の無理解により当事者が声を上げにくい課題がある。そこで山形県内3ヶ所でカップホルダー500個を配布し、さらに115 人の声から制作した行動マニュアル「やさしさ予報」を届けた。汗を語るきっかけと具体的な配慮の指針を提示することで、多汗症への理解とやさしさを社会に広げた。


片岡英彦 教授 評
林莉央さんの企画は、多汗症という見えにくい悩みを「本人の努力不足」で片付けず、周囲との関係の課題として捉え直した点が際立つ。私が林さんの企画の核が定まったと感じたのは、ゼミで方向性を言語化した場面である。「症状や治療の啓蒙を軸にするのか。それとも、当事者が『気にしなくてよい』と思える安心を増やすのか」と問うと、林さんは迷わず後者を選び、日常の中で会話の入口をつくる方針を明確にした。その判断が、カフェで手に取れるカップホルダーと、周囲が取れる行動を示したマニュアルへと結実し、当事者だけに負担を背負わせない設計になっている。さらに印象的だったのは、配布先との調整が難航した際の対応である。相手の事情を丁寧に聞き直し、現実に届く形へ粘り強く磨き込んだ。日常の小さな場面から、当事者の孤立を解きほぐしていく実装力を高く評価する。現場で粘り強く形にする力は、コミュニケーション業界の基本であり、就職後も確実に武器になる。