建築・環境デザイン学科Department of Architecture and Environmental Design

三浦楓華|学生は街の回遊性にどれほど貢献できるのか?
岩手県出身
渡部桂ゼミ

本研究は、人口減少や地方都市の衰退に伴い進行する「都市のスポンジ化」に着目し、山形市中心市街地・七日町を対象として、街に点在する空きスペースや店舗の一部を展示空間として活用する実践を行い、その効果と課題を明らかにすることを目的とした。空きテナント展示と店舗展示の二つの手法を実施し、通行人の反応観察や関係者へのヒアリングを通じて、展示が街との関係性や回遊性に与える影響を分析した。

空きテナント展示は表現の自由度が高い一方で、契約や管理、費用面の負担が大きく、学生による点在的で気軽な展示には適さないことが明らかとなった。(画像1)

これに対し店舗展示は、既存の営業空間や人の流れを活用できるため実施のハードルが低く、展示を通じて学生と店舗、街との新たな関係性が生まれる事例が確認された。(画像2) 回遊性については、展示が来訪者の移動行動を直接的に促す効果は限定的であり、定量的な変化を明確に示すことは困難であった。しかし、展示をきっかけとした再訪や交流の発生など、街への関与が継続・循環する動きが見られた点は重要な成果である。これらの結果から、本研究は回遊性を移動量としてではなく、人と街との関係性が更新されていくプロセスとして再定義する視点を提示し、都市の余白を柔軟な受け皿として活用する可能性を示した。(画像3)

1. 空きテナント展示

2. 店舗展示

3. 回遊性についての再定義