
[優秀賞]
菅野奏|日本国内のエリアリノベーションの研究〜類型化から導く7つの知見〜
山形県出身
加藤優一ゼミ
エリアリノベーションについての論文や書籍等から抽出した複数の事例を対象に、事例分析や活動を主導した人物としたヒアリング調査を行い、その類型化から比較的どの地域でも汎用が可能な知見を見いだした。
これにより今後プレイヤーとしての活動を見据えている人はもちろん、建築分野に明るくない市井の人々でも自分が住まう街の今後について、それぞれの立場から考えられるようになる事を目指す。
加藤優一 専任講師 評
本研究は、「エリアリノベーション」が起きている全国30事例を調査・分析し、その実態と課題を明らかにしたものである。「エリアリノベーション」とは、建物単体のリノベーションが同一エリアで同時多発的に起こり、面展開する動きを指す。2016年に本学の馬場教授が出版した書籍で提示された概念であり、私も共著者として関わっている。そこから約10年が経過し事例は増えているものの、現状を体系的に調査・分析した研究は見当たらない。
作者は、精緻な文献調査に加え、活動主体となるプレイヤーへのヒアリングを実施し、7つの知見を見出した。例えば、ハード面では、リノベーション物件が幅員5.5m以下の道路に面しているケースが多いこと、ソフト面では、初期事例においてジェントリフィケーションが顕在化していることなど、興味深い傾向を見出している。最終的には、調査結果を一冊の書籍としてまとめ上げた意欲的な研究であり、今後の学会発表や書籍化が期待される。