建築・環境デザイン学科Department of Architecture and Environmental Design

[最優秀賞]
佐藤りな|暮らしの延長で自己を見出すケア建築
宮城県出身
加藤優一ゼミ


加藤優一 専任講師 評
本研究は、「空き家」と「介護」という社会課題に対し、時間軸を取り入れた設計プロセスを提案するものである。
研究のきっかけは、祖母が介護施設に入所した際、それまでの生活環境が空間的・時間的に切り離されたことへの違和感にある。他方、研究室でのプロジェクトを通し、自宅の軒先を交流の場として活用する実践に触れ、主体性を育む空間の可能性を見出した。
対象地は宮城県登米市の商店街。設計対象は、住宅の内外をつなぐ中間領域と、空き家を活用した介護施設とし、第一期・第二期に段階化している。
中間領域は住宅タイプに応じた増減築で創出し、第一期は交流の接点、第二期は在宅介護の場へと変化する。介護施設は、空き家の増加や介護需要に応じてユニットが増減する構成とした。
このように、建築と人の状況に呼応して空間を変容させるプロセスを通じ、暮らしの延長にある福祉のあり方を示した意欲的な作品である。提案の一部は実現に向けて動き出しており、今後の展開が期待される。