プロダクトデザイン学科Department of Product Design

[優秀賞]
石垣拓真|「葉の帰着」- Leaf in Progress –
山形県出身
渡邉吉太ゼミ
1200×2700×4500mm 葉、スチール


渡邉 吉太 准教授 評
脆く儚く、それでも繰り返される命の営み。季節という短い単位と、種のバトンの受け渡しによる、途切れることのない連鎖。透けるほど薄く、今にも散り散りになりそうな葉を懸命につなぎ合わせて生まれた器の群れの中に、僕はこのふたつの異なる時間軸が交わる点を見ました。養分を生成する役目を終え、大地へ還ろうとする葉の手を引き戻し、重ね、もう一度紅葉の姿を与えようとする試み。それは一見すれば、自然のメカニズムを改変し、抗おうとする人間の業の縮図のようにも映るでしょう。しかしこの研究は、生命を慈しむ拓真の深い優しさに満ちています。芽吹き、色づき、落ち、還る。目の前の自然の理が見せる儚さを当然のこととして通り過ぎるのではなく、そこに手を尽くし、かたちを与え、留めようとする。道端の石くれを宝物のようにポケットにしまう子どものまなざしと、真理を噛み砕き、人々に手渡そうとした古の僧の清廉さ。その似て非なるふたつを併せ持つ拓真だからこそ、この難解極まりないテーマと造形手法に正面から向き合い、自分だけの解へと辿り着けたのだと思います。君のような弟子を育てることができて、本当に嬉しい。優秀賞、おめでとう。