[優秀賞]
鈴木深月|ほどける
宮城県出身
松村泰三ゼミ
2400mm×4000mm 半紙/パラフィンワックス/EVA 樹脂
ふと、立ち止まって見てしまう。私はそのような景色に出逢うと、心の重さが少しだけ軽くなることがあります。根本的に悩みが解決するわけではないけれど、呼吸が楽になる感覚を覚えます。本作は、その体験を蝋引き紙の重なりによって表現しました。色彩や配置には私の意思があり、色の混ざりや模様、湾曲は偶然生まれたものです。制作中は辛い時もありましたが、振り返ると楽しかったように思います。
松村泰三 教授 評
壁一面にさまざまな色の紙が不規則に重なり合いながら貼られている。半透明で繊細な色合いのその紙は重なることで色が混ざり合い、より複雑な表現を作り出している。雲のようでもあり、花のようでもある。
鈴木さんは大学2年生の頃から光が引き起こす現象をもとにワークショップや作品制作を行ってきた。そこから紙の重なりを通して見える光の陰影や色の重なりに興味を持ち制作を始めている。
さまざまな色の蝋(ろう)を紙に染み込ませたワックスペーパーを構成していくというシンプルな造形技法がベースとなっているが、紙の種類や組み合わせ、ワックスの色やその混ざり方など、あらゆる可能性について粘り強く試行錯誤を繰り返し、“手で考える“ことにより、このような素晴らしい作品として昇華させるまでに至っている。
こだわりを持ち、諦めずにそれに向かって努力していく。今後もそれを忘れずに制作を続けていってほしい。