
[優秀賞]
佐藤李|うまくいえないけど、そんなかんじ
北海道出身
安達大悟ゼミ
3000×1450×12mm
一般的にテキスタイルデザインは、整然とした印象だ。しかし、現代人は多様で価値観が絶えず変化しておりそれらを表現する方法が十分に生まれていない。
そこでリピートを使わず、偶然の重なりから生まれる形や色を、人々の一言で表せない複雑さとして布に刻んだ。
安達大悟 准教授 評
「テキスタイルといえば模様」と言い切る潔さが際立つ作品である。
衣服やバッグ、椅子、カーテンなど、テキスタイルの用途は無限に広がる一方、その可能性を追うほど布は単なる構成要素の一つになっていく。本作は、そこに抱いた疑問から生まれた。布一枚、模様のみで表現するという誤魔化しのきかない手法は、コンセプトとデザイン力を正面から問うが、その完成度は高い。彼女がモチーフとして着目したのは「人」という存在である。一言では語れない多面性を、図形には個性を形づくる要素を、色には選択や判断の意味を込めて表現した。10枚の布=10人の人、その暗号が解読できた時には思わず微笑んでしまう「楽しめる布」として成立している。シルクスクリーンによるプリントも一版一版ランダムに配置しながら仕上げたことで、既製品とは異なる独創性と魅力を与えてくれている。
卒業後はインテリア業界のデザイナーとして腕を振るうが、心地よくユーモアある空間を生み出す活躍に期待している。