
[最優秀賞]
佐藤彩|oasis
福島県出身
安達大悟ゼミ
800×1100×800mm、600×1700×1000mm レーヨン/ポリエステル/ウール/麻/木材
日常の音や視線を意識し、疲れ、逃れたい時があるだろう。 そんな時、誰にも邪魔されない空間が人をリラックスさせる。人間工学の視点と森林特有の空気感や雰囲気を纏った空間が、個人の時間を創出する。
安達大悟 准教授 評
朝起きて顔を洗い、朝食を済ませ出かける。帰宅後は夕食と入浴を済ませて眠る。そうした日々の繰り返しの中で、人はどのように自分だけの時間を確保し、心を休めているのだろうか。
本作は、閉鎖的で圧迫感のある空間こそが、個人の居場所になり得るという着想から生まれた。森林の奥に佇む小屋や古城のように、密やかでありながらすべてを受け入れてくれるイメージをもとに、人体の構造にも着目しながらインテリアとしての可能性を追求している。作品は、人が立つだけで閉鎖空間のような錯覚を与える壁掛けと、ソファーの角に身体を預けた際の形状に沿う立体の2点で構成され、最小限の要素による洗練された造形が独特の存在感を放つ。表面にはハンドタフティング技法によるテキスタイルが施され、布を裂いて糸のように扱うことで、豊かな質感と世界観を生み出している。
卒業後は家具メーカーで設計士として務める。独自の視点と綿密な計画力、造形力をいかし、新たな家具を生み出してほしい。