[優秀賞]
榮村莉玖|ある旅人の現在地、あなたとわたしのせかい/Go with the Flow Camp
北海道出身
青山ひろゆきゼミ
2,000×70,000×500mm ミクストメディア(絵画・インスタレーション)
青山ひろゆき 教授 評
4年間を、ものすごい勢いで駆け抜けた学生である。コレクティブグループ「Modern Angels」を立ち上げ、「DOUBLE ANNUAL 2025」(国立新美術館)、「SUPER WOOD STOCK FES!!!!」(山中suplex/滋賀)、「BENTEN 2 Art Night Kabukicho ― 都市の再野生化」(王城ビル/東京都新宿区)、「CAF賞2025」(代官山ヒルサイドフォーラム)など、全国各地で多数の展覧会やプロジェクトを展開してきた。個人としても、インドネシア・ジャカルタ「Ruang MES56」のアーティスト・イン・レジデンスへの参加、国際瀧富士美術賞での優秀賞受賞、「NEW PLATFORM ‒ Alternative ASIA ‒」でのトーク登壇など、学生というフィールドを超え、すでにアーティストとして確かな実績を示している。さらに学内では、自主企画トークイベント「よりあい」を開催し、アーティストやキュレーターを招くことで、豊かな人脈と知見を多くの学生へ波及させた。
本作品は、それらの活動の集積をアーカイブするかのように、40mに及ぶ絵画を軸に、映像・立体などを織り交ぜた複合的な表現として構成されている。その情報量と出力は圧倒的であり、生活とアートの境界を越境しながら、出逢いから生じる感情や刺激のドラマを表現へと転換する力が際立つ。個と公の曖昧な輪郭を行き来しつつも確かな実態を示し、自身の経験を社会的な文脈へと拡張しながら、膨大な情報を作品として統合する能力は群を抜いている。今後、アーティストとしてその表現をさらなるスケールへと押し上げ、次のフェーズへ飛躍していくことを確信している。