教育目標と教育方針


■基本使命と教育目標
将来、一人ひとりが社会のあらゆる場面で活躍できるよう、東北芸術工科大学では大学の理念を基に、学生が身につけるべき力として次の4つを定めています。
1. 本質を見ようとする姿勢、純粋な目:「想像力」 Imagination
2. 想いを形にできる力:「創造力」 Creativity
3. 問題提起と解決への強い意志:「意志」 Spirit
4. 社会的・職業的自立のための能力・態度:「社会性」 Sociality

■入学者の受け入れ方針(アドミッションポリシー)
東北芸術工科大学は、「藝術立国」という理念のもと、“人と自然を思いやる想像力と、社会を変革する創造力を身につけ、自らの意思で未来を切り開くことができる人材の育成”を教育目標としています。芸術学部及びデザイン工学部の入学者選抜では、それぞれの専門領域に即して多面的・総合的に評価するために、次の観点から入学希望者を募集します。
(1)芸術やデザインに興味と熱意を持つ人
(2)高等学校までの学習および経験により培われた基本的な知識を持ち、主体的に学修できる人
(3)社会に興味を持ち、仲間とともに切磋琢磨して成長できる人

[芸術学部]芸術は、美を求める純粋な心と知に基づくものであり、人々に夢や希望を与え、新たな価値を生み出す力があります。多様性を学び取る柔軟な姿勢と、自らの創造力や感性を粘り強く磨き続ける意志を身につけ、芸術の力を社会の真の豊かさに向けて活かそうとする入学希望者を求めます。

[デザイン工学部]デザインとは、見た目を装飾するだけではなく、今や「デザイン思考」として、人間社会の改善や進化に必要不可欠な技術となっています。自己表現や趣味にとどまらず、広く社会をイメージし、何のためにデザインを活用するべきなのか。モノやコトに対するデザインを学び、社会に積極参加しようとする入学希望者を求めます。

■学位授与の方針(ディプロマポリシー)
東北芸術工科大学は、「芸術立国」を基本理念とし、本学の各学位プログラムの課程を修め、124 単位の単位取得と必修等の条件を充たしたうえで、教育理念に定める、人と自然を思いやる想像力と社会を変革する創造力を身につけ、困難な課題を克服しようとする強い意志と共に、芸術の力を社会のために用いることのできる人材の育成を目的としています。その実現のために、下記の「4 つの力と10 の能力要素」を身につけるべき力として、その修得をめざします。
(1)本質を見ようとする姿勢、純粋な目「想像力」
幅広い知識、多様な視点、豊かな美意識を持、世界に内在する様々な課題を発見し、説明できる。
(2)想いを形にできる力「創造力」
発想・直感から創り上げたイメージを、具体的に表現し伝えることができる。
(3)問題提起と解決への強い意志「意志」


[芸術学部]自立した「個」の確立を目指し、その強い意志と芸術の力によって、社会に向けて新鮮で本質的な価値観を提起できる。

[デザイン工学部]社会のためにデザインの力を用いる姿勢と強い意志を身につけ、困難な問題に対する解決策を提案できる。

(4)社会的・職業的自立のための能力・態度「社会性」
職業観、勤労観を培い、社会人としての基礎的資質・能力を形成し、積極的に社会参加できる。

■教育課程編成・実施の方針(カリキュラムポリシー)
(1)芸術・デザインを学ぶ基礎となる全学共通科目においては、大学理念の理解を目的とした「芸術平和学」をはじめとして、「自然・社会と芸術」、「地域の文脈」において、芸術・デザインを社会に活かすための基本的姿勢について学び、「言語と表現」、「社会リテラシー」においては、社会で共通して求められる汎用能力としての語学、コンピュータ、デジタル表現、情報などに関する基礎力を修得します。
(2)各学科が開講する特徴的な専門講義は、全学共通専門科目として開放され、自身の専攻領域に関わらず、学部・学科を越えて幅広く学ぶことができます。
(3)初年次教育は、全学科の学生混成クラスによる「想像力基礎ゼミナール」を開講し、学部学科を越えて、多様な学生が大学で学ぶ意義、目的について考え、共有することで、主体的な学修の実践に入っていける下地を作ります。
(4)専門教育は、専門的知識と作法の修得等を目的とした講義と実習による基礎課程と、より実践的なPBL 演習を中心とした専門課程によって構成され、特に、専門課程では、各学科の独自性を生かしながら、実社会との関わりを意識させる、地域・産業との連携演習を常態化することで、学生の能動的姿勢と取組を高いレベルで要求する教育を行います。
(5)進路教育は、クリエイティブな資質を身につけた人材を育成し、世の中に送り出すことで、社会の変革を目指す「芸術立国」を理念とする本学にとっては、極めて重要な教育です。2年次のキャリア形成論、3年次のキャリア設計論等の正課授業だけでなく、入学時ガイダンス、初年次教育、年に2度行う担当教員との面談、3年後期からの各種のキャリア支援等まで含めた一体的な意識形成プログラムとして取り組み、本学で学んだ芸術・デザインを、自らの人生と社会のためにどう活かすのかについてきめ細かく指導します。




■学科の教育方針

芸術学部

・文化財保存修復学科
美術史的、科学的、技術的な視点と保存修復理論を示唆しながら、同時にそれぞれ専門に長ける学生には美術史・保存修復・保存科学の分野のなかで深く探求し研究論文を作成する。同時に、大学生としての認識と社会に対峙していくことを啓発する。

・歴史遺産学科
フィールド実践を重視した専門教育によって、人間力と行動力を培い現代社会に適応できる人格形成をはかり、専門分野の現場でも柔軟性をもって対応できる人材の育成を目指す。
※専門基礎教育(体験的教育アプローチ)の目標
1. 人や地域を思いやれる心の創出(バックボーンとしての人理解力の獲得)
2. 日常と知識の融合(知の身体化、実学的知識運用技術の習得)
3. 他者に分かりやすく伝える(プレゼンテーション能力の開発) 4. 問いの発見(体験的問題設定能力の開発)

・美術科
各分野により独特の知識や技術がある。それを習熟するためには自身による単調でありながらも、弛まない訓練が必要である。それは人間性を豊かにする訓練でもある。耐えてある一線を越えた者は、健全な問題意識と批判的に物事の本質を見抜く力を身に付け、高い人格を有するようになり、社会に出ても確固とした自己を作っていける。制作の技術向上だけではなく、その訓練を通して学生個々人の人間形成を導くことが美術教育の理念である。

・文芸学科
時代の要請に応えるべく、総合芸術としての文芸復興を担う人材、美術・デザインを総合的に捉え、クロスメディア化により高度化するビジュアル表現に対応した、「書く」ことと「編集する」ことで新たな表現領域を追究できる人材を育成していく。

 

デザイン工学部

・プロダクトデザイン学科
私たちの生活を取り巻く様々な製品(家電、自動車、文具、雑貨、家具、照明、ディスプレイなど)のデザインに積極的に携わる人材を育成する。そのための基礎力として、手描き表現力、素材加工力、コンピュータスキル、発想力、コミュニケーション力を身につける。さらには、調査分析、コンセプト立案、アイデア展開、モデル制作、試用実験、プレゼンテーションに至るデザインプロセスを各専門演習で経験した後に、地域連携や産学共創プロジェクトなどの取り組みを通して実践力を培い、幅広く社会に働きかけることができるデザイン力を習得する。

・建築・環境デザイン学科
製図、コンピュータ等スキルを駆使しつつ、実際の自然観察、地域交流等フィールドワークを行う。自らの力を存分に発揮できるプログラムとして演習を重視。教員やゲストクリティークと真剣にやりとりするジュリーで、他者に自己の考え、設計・計画の特徴を伝えるプレゼンテーション力を習得する。
1. 社会的な調査やフィールドに出て自然条件や物的状態を調査する能力
2. 計画的思考を行い、問題を具体化して解決する能力
3. 建築空間の構成や構造に関する専門的知識 4. 公園など具体の空間や野外家具の計画・設計の能力
5. プロジェクトや意図したことを伝えるコミュニケーション能力

・グラフィックデザイン学科
本グラフィックデザイン学科は、実験の場「ラボラトリー」である。 デザインとは、手法ではなく考え方である。 情報デザインは相手に伝達されて成立する。常に客観性を持ち、ひとりよがりなデザインに終始しない。 できるだけ身体で考える。手で作ったものはより強く伝わる。 より良い社会を創るためにこそ、デザイン的思考を活用し、そのためには必ず社会へ出る。 デザインは都市における装飾的な考え方ではない。様々な地域にとって必要とされるデザインについて考察する。

・映像学科
多様なメディアや表現方法が混在する今日の映像世界の中で、真の映像とは何かを探求し、映像の表現者として自立する心と技術を体得し、グループワークを通じ現代社会に対応するコミュニケーションができる人間を育成する。

・企画構想学科
クリエイティブ、メディア、ビジネス、文化をバランスよく理解し、日常生活を素敵にアレンジできるアイデアをプランニングできる、人の幸せや喜びのために思いをかたちに出来る企画力を持った社会人を育成するため、様々なブランド、マーケティング戦略・戦術の実例等を研究し、身近にある商品、企業、団体、地域を題材にした演習により課題発見力と問題意識、発想力、企画構成力、コミュニケーション能力、ディレクション能力を醸成する実践的カリキュラムを構築する。

・コミュニティデザイン学科
都市計画、組織開発、デザイン思考、ソーシャルデザインなど多角的な視野と柔軟な発想を身につけ、表現力・創造力で社会に貢献するという強い意志を育成すると共に、その意思と能力を地域活性化、地域コミュニティの再生の分野で実践活用し、社会問題に対して数理的アプローチにより本質を抽出・分析し、デザイン力に基づく課題解決提案ができる「コミュニティデザイナー」を育成する。