芸工大でクラウドファンディングプロジェクト始動「あなたの日常や思いを作品にします」


東北芸術工科大学では今年度より、クラウドファンディングでアーティストを目指す本学学生たちの制作支援を行っています。写真は、プロジェクトチーム「T.I.P」(TUAD INCUBATIOM PROGRAM)メンバーの5人。実力派の選抜チームで、この4年間、洋画、日本画、工芸をそれぞれ学び、今年からは大学院に進みます。

アートや芸術の価値は、その美しさや独創性だけではなく、私たちの日々の記憶や残しておきたい出来事を素敵な思い出として昇華する力もあります。みなさんの日常を素敵に彩る方法のひとつとしてアートを寄り添わせたい。そんな思いから「あなたの日常の出来事や思いをアート作品に。」というタイトルで210日からの1ヵ月間、大手プラットフォームCAMPFIREで、新しい作品の市場を創り出そうと、購入型のクラウドファンディングにチャレンジしてきました。本日は最終日となりますので、5人のメンバー1人、青山夢さんをご紹介します。

「あなたの日常の出来事や思いをアート作品に。」
 

青山夢|作品を見てくれた人の時間を、魔法みたいに変えたい

青山さんに以前、自身が制作する絵画作品の説明を求めたときに、「絵画は言葉での表現が難しい世界を描くことができます。絵画が見る人の生きている時間軸に〈魔法のようなもの〉をかけて、今の現実を別の見え方で楽しむことができるので、それがアートのもつ力だと信じています。」と話してくださいました。

青山夢「術中デモクラシー」(2019年度 東北芸術工科大学 卒業/修了研究・制作展にて発表した大作/2000mm×3600mm)

彼女が絵画で表現しようとしている世界観は、一見、混沌としているようにみえますが、アートや絵画のことが普段あまりよくわからないと思っている方でも、一瞬で引き込まれる魅力があります。それは、私たちの理性や常識を取り払った世界を、青山さんの絵をみながら想像してしまうからかもしれません。

青山さんはさらにこう表現します。
「学歴や見た目を重視する社会、子供の反論を許さない大人の態度。世の中には、そうした納得できない不条理で溢れています。しかし、本当の敵は世の中ではない。自分の力ではどうしようもないこと、納得のできないことはいつの時代も生きていればたくさんあります。」

「でも、そこから現状を変えるために自分は何かしただろうかと考えると、周囲に逆らうのも怖くて、闘う前から諦めていた自分はいなかっただろうか。本当の敵は、周りの環境を変えようともせず見て見ぬフリが上手になった自分なのかもしれない。そんな思いから周囲に合わせるのをやめました。」

「私が作る絵画作品は、表層的な現実と、その裏でうごめく様々な感情や思惑を混在させて描きます。いつもの日常に隠されている裏側が透けて見えたらこうなるのではないか。縮んでしまった心と体を解放したらこんな現実になってしまうのではないか。ちょっとした日常を延長・拡張した世界を表現した私の作品をご覧いただくことで、人の感情を解放したり喜んでもらえる、そんな瞬間が何よりも嬉しいです。」

今回のクラウドファンディングでは、青山さんの作品は、情報を公開してすぐに完売してしまいましたが、もっと多くの人に自分の作品を知ってもらいたいという思いは、このチャレンジが終了しても、彼女の制作における大切なモチベーションとなり続けることでしょう。青山さんの今後の活動も楽しみです。

2019年卒展会場での展示風景

「あなたの日常の出来事や思いをアート作品に。」

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