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私のヨスガは、飛島。

●小川ひかり(歴史遺産学科)

酒田港から船にゆられて西に75分の日本海に浮かぶ飛島。大学から遠く離れた場所に赴き、そこで暮らす女性たちの歴史や文化を書き起こし『飛島の女性史』を卒業論文に選んだ小川ひかりさん。きっかけは1年次に東北文化研究センターが発行する地域ブックレット制作を担当したことでした。飛島に暮らす方々との交流を重ね、温かく迎えられるうちに飛島に対する思い入れが強くなり、「飛島の暮らしや歴史を形にして恩返しをしたい」と思うようになりました。夏場は月に一度、長い時は一ヶ月間滞在し、すっかり島の雰囲気に馴染んだ小川さんが必ず訪れるのは、太田キクコさんのお宅。一緒に温かいコーヒーを飲みながら 太田さんの記憶を辿り、漁村ならではの運動会、食文化、活気ある港の風景などを綴っていきました。太田さんは「自分が体験したことを話しているだけで立派なことは言えないけど、来てくれるのが嬉しい。小川さんが1年生の時から知っているからね、娘みたいに思っているよ」と笑顔で語りました。「研究が終わったからといって、もう島に来ない、というのが嫌で」という小川さん。卒業後は、飛島の会社への就職と移住を決めています。