●吉田雄次（メディア・コンテンツデザイン学科）

東日本大震災からの復興を目的として、復興グッズのセレクトショップ『Send♥ai Reborn Stage』の仙台のいろは横町への出店を提案し、研究として実験的に開店させた吉田雄次さん。復興に向けて多くの人が立ち上がりプロジェクトも進行する中で、被災地にある素材を使い、現地の人たちが持つ技術、意識を尊重した考え方が注目を集めました。昔ながらの風情が残る、いろは横丁の店内に並ぶのは、陸前高田市にある高田松原の松材から作ったキーホルダーや、気仙沼市の漁師の網を使ったハンモックなど。吉田さんは、例え復興支援の意識がなくても、自分が欲しいと思える魅力的な商品ばかりを集めたそうです。また、より多くの売上金を被災地に還元したいという気持ちから、被災地の生産者と直接やり取りすることを心掛けた結果、復興に対する想いを共有するという経験もしました。「制作工程が複雑で市場に出すのが難しい商品も取り扱うことができたのは、沢山の人の共感と助けがあったからです。地域に根ざした商品の魅力を伝え、訪れたお客さんに知ってもらうことが大事だと思っています」。吉田さんは震災復興の一端を担いながら、新たに実感した東北の魅力を発信しています。