美術史・文化財保存修復

芸術文化全般に関わる幅広い知識を学び、文化財の価値を未来へと継承する

今日の文化財は、その時代を生きる人間が寄り添うことで、後世へ伝えることができるかけがえのない存在です。美術史・文化財保存修復学科には、作家の思いや作品の歴史を読み解き正しい理解へと繋げる「美術史」、絵画の構造や材料の性質を理解し、劣化や損傷の処置を学ぶ「絵画修復」、伝統的な修復技術を学びながら新しい材料や機材の応用を模索し、現代に求められる修復術を修得する「立体作品修復」、文化財資料の構造や材質の調査、科学分析を行い、保存修復に必要な情報をまとめる「保存科学」の4分野があります。文化財保存修復研究センターを通じて、全国の美術館や博物館から寄せられる本物の分析・修復経験を経て、芸術文化全般に関わる幅広い知識と、未来へと継承する術を学びます。
今年のテーマは「伝える・託す・受け継ぐ」。東日本大震災を経て文化財の存在価値が改めて見直される状況の中、文化財レスキューへの関心が一般の方にも広がった年でした。新たな文化財の視点や魅力を提示できる卒業制作を目指します。

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歴史遺産

古来の伝統と新しい未来を組み合わせて新しい地域のあり方を築き出す

「歴史」「考古」「民俗・人類」の3分野を軸に、人類の"もの"と"こころ"、文化の軌跡を追求する歴史遺産学科。3分野を横断的に学び、東北の山間部の狩猟文化「マタギ」や各地方の民族文化を核とするフィールドワークの経験を積み重ね、人間を捉える力やコミュニケーション力を養っていきます。出会い、調べ、考え気付いた情報をただ伝えるだけではなく、成果として"表現"して多くの人からの共感を得る力を養うことは、絵画やデザインと同じクリエイティブな作業。出会いの中で生まれた感動や疑問に対し自分の考えを見つけ、古来の伝統と新しい未来を組み合わせて新しい地域のあり方を築き出すという、明日へと繋ぐ東北学の実践を行っています。

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日本画

ダイナミックな東北の自然を肌で感じ、描く精神性を根底から学ぶ

全国から集った学生が、月山や蔵王、最上川など大学キャンパスを取り囲むダイナミックな東北の自然環境を肌で感じながら、描く精神性を根底から学ぶ日本画コース。自然界から見つけた岩や石から自らの手で絵の具をつくる過程は、独自の色や表現を生み出しながらも日本画の原点を改めて見つめ直す機会でもあります。他学科との共同プロジェクトや展覧会などの交流の場も多く、伝統的な表現から前衛的な表現まで、枠にとらわれない独自の表現を見出します。 今年のテーマは「僕らがここに来たこと」。4年間の大学生活から、感じ、考えたことがもたらす学生たちの内面の変化。自然豊かな環境がそれぞれの絵画表現にどのような影響を与えたのか卒業制作を通して問い直します。

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洋画(洋画・版画)

新しい表現の可能性と見るものの心を揺さぶる表現を追求する

豊かな色彩と独特の絵肌で、見るものの心を揺さぶり、感動を与える油彩画の世界。画面いっぱいに筆を走らせ、自分の想いを色として塗り重ねていく過程は、自分自身をじっくりと見つめる行為でもあります。また、刷り上げるまでどのような作品になるのか見えない版画。1枚の版と心から向き合いながら手を施し、紙や布に写し取られ初めて作品が出現する喜びを得る感動は他の手法では味わえない魅力です。版を版画へと昇華させる「紙」を自ら漉く実習などを通じて、素材の特性だけでなく人間の営みの深さや英知も学び取ります。自らの手で試行錯誤を繰り返しながら、新しい表現の可能性を追求しています。

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彫刻

永い時間を経て地球が作り出した素材に想いを封じ込め
カタチとして出現させる

何億年、何千年という永い時間を経て地球が作り出してきた石や木、金属という素材。また、プラスチックなどの人工素材も幅が広がっています。それらの素材に自分の想いを封じ込め、作品として形作っていくのが彫刻です。それぞれが素材を選び、それぞれの想いで空間に作品として出現させる。素材や表現方法は変化しても、時代を超えて存在する「造形の核」へのアプローチを続け、彫刻という表現をあらゆる方向から探究していきます。 今年のテーマは「Dimention(次元)」。三次元芸術である彫刻表現の可能性にさまざまに挑戦した学生たちの卒業制作を多角的な視点で鑑賞頂き、イメージを広げてもらえるようにという思いを込めています。

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工芸(漆芸・金工・陶芸・テキスタイル)

生活や社会を豊かにする美しさを備えた表現方法とものづくりの心

人の歴史と共に身近にあり、文化を育み、生活を支えてきた工芸。太古の昔から食器や家具として日本人になじみが深い「漆芸」、武器やジュエリーとして紀元前から私たちのライフスタイルを形づくってきた「金工」、土と対峙することで生み出され、茶道文化の発達と共に私たちの生活の中に広がった「陶芸」、種から紅花を育て染料をつくり、染めや織りのプロセスを通じて創造の力を育み、多様な表現に挑む「テキスタイル」。工芸コースでは、私たちの生活や社会を豊かにする美しさを備えた表現方法と、ものづくりの心を学んでいます。

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プロダクトデザイン

デザインのプロセスは解決すべき問題を発見した瞬間から始まる

デザインのプロセスは解決すべき問題を発見した瞬間から始まります。プロダクトデザイン学科では、生活を取り巻くあらゆる製品の機能や形態などの意味を再検証し、未来の暮らしや空間の創造を学びます。より多くの人に感動を与えるための技術力と専門性、人の使いやすさを考える人間工学を習得しつつ、実際の現場を体験する機会も豊富。本田技術研究所、東芝、キャノン、スノーピークなどとの産学連携プロジェクトを通じてデザインの実態を学びます。さらに山形の豊かな自然での体験を通して、気づきやアイデアを発想する力も養っています。 今年のテーマは「Re:(返信)」。多くの人やモノに支えられてきた私たちの大学生活を振り返り、感謝の気持ちをデザインを通じてお返ししたい、という意味が込められています。学生たちの様々な「Re:」をお楽しみ下さい。

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建築・環境デザイン

永続的で魅力的な新しいライフスタイルを生み出す未来の建築

建築・環境デザイン学科では、一人ひとりが持つ理想の暮らしを実現するために必要な知識と技術、そして美意識を育みます。そのために「建築」と「環境」の関係性を東北の自然の中で学びつつ、石油エネルギーに頼らない建築の未来の姿について、最新の環境型木造住宅「山形エコハウス)などを例に様々な角度から考えています。また地域再生を視野に山形中心部の廃ビル再生に取り組む「山形R不動産」や、古い蔵を再生させる「ヤマガタ蔵プロジェクト」など、地域との取り組みを通じて、社会での応用力や実践力を養います。あらゆる視点から建築や街の未来を想像し、環境に合った建築のスタイルを考えることで、人にも地球にも優しい、永続的で魅力的な新しいライフスタイルが生みだされていきます。

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グラフィックデザイン

全てのデザインを「作り方」からではなく「考え方」から生み出す

グラフィックデザインコース(現:グラフィックデザイン学科)が目指すのは、自由な発想で世界を見つめ社会の未来像を切り拓けるクリエイターです。視覚だけでなく五感を活かしたデザインを大切にし、伝えるべき情報に温度や質感、感情や愛情を込めて表現することを重視。全てのデザインを「作り方」からではなく「考え方」からはじめ、世代や立場を超えた相手ともコミュニケーションする力を養うことで、より良いデザインの視点を獲得します。自治体や企業からの依頼による課題に積極的に取り組むこことで、地域活性化に貢献する関わりも少なくありません。地球環境問題や高齢化社会など、様々な状況下で必要とされるデザインの可能性を、新旧が混在する山形で想像し、伝える表現力を追求しています。
今年のテーマは「Graphic Finale 2011」。山形という自然豊かな風景の中にある芸工大という学びの場で、様々な方と関わり多くのことを経験し成長してきた学生たち。一人ではたどり着くことができなかったここまでの道のりを振り返り、学生最後のイベントとして、山形、大学、先生、家族、仲間への感謝の思いと、今、そしてこれからも輝いていこうとする思いを込めて開催します

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映像

伝えたいイメージに生命を吹き込み相手へ感動を届ける

誰もがインターネットで情報を発信できる今、映像は言語を超えて全世界に感動を広げられる表現です。また、見えない被写体の内面までも映し出すことが求められる世界でもあります。映像コース(現:映像学科)では、映画、CG、アニメーション、写真など、多くのメディアを横断的に学び、様々な映像に触れる経験を通じて発想の幅を広げつつ、多角的な視点で世界を写し撮る行為から、独自の表現方法を追究します。伝えたいイメージに生命を吹き込み相手へ感動を届けるためには、制作過程を大切にする粘り強さも重要。美しい自然に抱かれたキャンパス、山形ならではの時間の流れの中で、自己や作品と向き合い豊かな感受性を育みます。

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ゲーム・webデザイン

多様化する社会が求める表現手法を高い洞察力で企画し実現する

今、経済活動や情報交流の中心はインターネットが舞台へと移りつつあり、双方向性やエンタテイメント性も高まっています。一方で、ゲーム自体が情報ツールとして進化し、コンテンツは高い創造性を必要とされています。これからの社会が求めている情報サービス、文化や社会貢献、コミュニケーションや表現の手法を高い洞察力で企画し、実現する力を学びます。 今年のテーマは「PARTY」。おもてなしの心でお客様をお迎えする。そんなお茶会のような卒業制作展を開催します。お客様の目線に立ち、コンテンツを制作することで多くのことを学んできた学生たちそれぞれの集大成を研究成果として発表します。

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映像計画

コミュニケーションツールとして社会貢献できる映像を生み出す

映像計画では、CMや広告などの商業映像やショートフィルム、文化価値のある記録映像まで、社会と接する様々な映像作品の制作を通して、コミュニケーションツールとしての映像の発想力と表現力を学びます。企画立案からプレゼンテーション、シナリオ制作や撮影までをプロの現場に近い環境で制作を行い、「社会に貢献できる映像」を生み出しています。 今年のテーマは「ラストシーン」。学生最後の作品、最後の展示となる卒展を、映画やドラマが一番盛り上がる場面「ラストシーン」に見立て、ご来場者に映画のラストシーンのような余韻を感じてほしいという思いが込められています。

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情報計画

地域の魅力や価値をコミュニケーションから見出す

情報計画コースでは、地域をデザインする活動「やまがた宝さがし」を主軸に、身近な「場」や「人」の魅力を紡ぐ活動を続けています。人々とのコミュニケーションの中から地域の魅力や価値を見出す作業は、宝ものを探す喜びにも似ています。この経験を基に、企業や自治体から委託される商品企画や地域プランニングでは、仕事の楽しさと厳しさを体感しながら、人々の幸せな生活の実現に向けたデザインのあり方を学んでいます。
今年のテーマはGrowとLocalの二つの言葉を足した「Grow+Local(グロウカル)」。地域デザイン活動を通して、山形の地で多くの人と出会い、多くのことを学んで成長してきた学生から、出会ったみなさんへの感謝の気持ちが込められています。

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大学院

この豊穣なるフィールドから創造の新しい扉が開く

本学の理念に基づき、芸術によって育まれた感性と良心を基礎とし、自立した専門家として、未来の創造を先導できる知識と技術を習得する大学院。社会に一石を投じるような独創的な研究や制作を展開するための高度な能力を養成すると共に、グローバル社会に貢献するためのコミュニケーション能力や社会の変革を先導する指導力を獲得します。 また大学院仙台スクールのコンテンツ・プロデュース研究領域では、映画やアニメ、ゲームの分野からコンテンツ産業の構造や新しいコンテンツの在り方について、ビジネス・プロデュース研究領域では、ブランディングや商品開発、実践的な事業戦略や企画、マネジメントなどについて、個性豊に研究。この2領域がお互いに融合することで、より社会に則した実践的な研究が可能となっています。

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こども芸術大学

感じる心・感じあう心・つながりあう心

こども芸術大学で大切にしていることは、「心づくり」です。子どもの可能性は無限です。大人の予測を遥かに超える創造力を持っています。子どもの心や行動を規制で縛り付けず、自ら感じ、考え、行動できる「個」を育成します。未来を担う子どもたちが他者との違いを認め合う「心」が育つ環境や仕組みを、東北芸術工科大学の「芸術」「ひと」「自然」のもとで日々探究し続けています。

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