入試当日の初期装備は毛のない筆2本に絵の具4~5本、ペンキ1缶。しかも北海道から山形へ向かう空港でペインティングナイフとオイルを没収されるという悲劇が起きた――が、パレットはもとから用意してなかった――。次々と襲いかかる問題にも負けず無事入学。平たく言うとバカだった。20歳のとき現在も交際続行中の恋人と交際が始まる。題材を恋人にして以来、それまでの黒っぽかった絵が明るい色調に変わった。矛盾が生じても恋人を描きたかった。死んだとしても恋人を描きたかった。ただただ描きたかった。これからも彼女を描き続けたい。